球界の新たな潮流 村上モデルのバット使用選手が増えそうな理由

[ 2023年1月20日 07:15 ]

新しく制作したバットを手にする西武・山川
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 プロ野球界に新たなトレンドの波が来ている。日本選手最多の56本塁打を放った史上最年少3冠王、ヤクルト・村上モデルのバットを使用する選手が今季増えそうだ。

 村上のバットは先端がくり抜かれており、880~900グラム。体調や投手の特徴に応じて使い分けていた。昨年41本塁打、90打点でリーグ2冠の西武・山川は同バットを参考に今オフ、長さを2センチ短い85センチ、20グラム軽量化した900グラムの新バットを作製。短く軽い方が振り抜きやすく、速球に差し込まれない。疲労が蓄積する夏場以降に、より効果が期待できる。

 バットの軽量化は、近年のトレンドと言える。15年11月に開催された国際大会「プレミア12」ではソフトバンク・松田(現巨人)、DeNA・筒香(レンジャーズとマイナー契約)と巨人・坂本がバット談義で盛り上がったという。そこで坂本は「好打者には軽いバットを使っている人が多い」と知ったという。16年の開幕前にバットを910グラムから900グラムに10グラム軽量化し、スイングスピード、操作性が増した。

 村上バットの特徴は先端がくり抜かれていること。ひと昔前までは中距離打者に見られた形で、長距離砲には少なかった。操作性を求める代償で飛距離が落ちる可能性もある。だが、山川は「三振をしたくない時に打者がバットを短く持つのと同じ」と説明。芯で捉えれば本塁打する自信があるから、操作性を重視するバットを試作した。

 西武のドラフト1位・蛭間(早大)も村上を参考にプロ仕様のバットを作製した。「村神様」の御利益にあやかり、球界全体に新たな潮流が押し寄せている。(記者コラム・神田 佑)

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