阪神・近本 子供たちに「イズム」伝承 小6時に指導受けたオリ・T-岡田にもらった“刺激” 

[ 2022年12月19日 05:15 ]

野球教室で熱く指導する近本(撮影・後藤 正志)
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 阪神・近本が18日、兵庫県西宮市内で行われた古巣・大阪ガスの野球教室に参加し、子供たちに「イズム」を伝承した。冒頭あいさつで、同市内の少年野球3チームから集まった30人の小学生相手に、熱く語りかけた。

 「この中の子供たちが大きくなった時に、プロ野球選手になれなくても、違う仕事で次の将来の子供たちのために何かできることを、やってほしいと思っています」

 近本自身も、その言葉を忠実に実行へ移した。学び、身につけてきた野球の技術を還元すべく、約2時間半にわたったプロ入り後初の野球教室で精力的に指導。トスバッティングの重要性を説き、ティー打撃も実演した。「芯で打たないと思ったところに(打球を)返せない。バッティングでは一番大事」と打撃の本質も伝授。

 近本を突き動かすのは、小学6年時の記憶だ。オリックスのT―岡田が地元・淡路島の野球教室に来訪。まだ入団1年目の選手だったが、初めて間近でプロ野球選手と接し、指導を受けたことを、今も鮮明に覚えている。「僕がティー(打撃)しているのを、すごく近くで見てくれて」。感動が憧れに変わり、目標へ昇華し、そして今がある。今度は自分がその役割を担い、バトンをつなぐ覚悟だ。

 今オフは来春のワールド・ベースボール・クラシック出場の可能性も視野に入れ、例年よりハイペースで調整中。「特に感じたのが自分の力だけで頑張るよりも子供たちの力を(僕が)借りていること。それが結果として僕のためになっていると思う」。いっそう子供たちの憧れの存在となるためにも、さらなるパフォーマンス向上を期す。 (石崎 祥平)

 ○…近本は広島にドラフト5位で加入する大阪ガスの後輩・河野との対戦へ向け「楽しみではあるけど、やりづらい…。同じ野手なら頑張ろうと(なるけど)。今までは(楽天)酒居さんと1回やっただけなんで」と複雑な胸中を吐露した。入団から4年が経過したが、セ・リーグで古巣出身投手との対戦経験はまだない。一方で「良い刺激にはなると思います」と意欲も示し、対戦実現となれば最速151キロを誇る右腕に貫禄を示すつもりだ。

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2022年12月19日のニュース