ミキハウス・大西友也主将 痛恨の敗戦糧に、来季こそ都市対抗&日本選手権出場誓う

[ 2022年11月14日 07:00 ]

ミキハウス・大西
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 痛恨の一戦から2カ月が過ぎた。上昇気流に乗っていたミキハウスにとって、まさかの敗戦。大西友也主将は「切り替えは難しかった」と率直に振り返るが、今はもう、来季のさらなる躍進だけを見つめている。

 「本戦に出ることが一番良かったですが、チーム力がなかったからこそ負けた。都市対抗でも1勝して、選手権も出られるだろう、という変な自信があったのかもしれない。それが代表決定戦にすら進めず負けてしまった。試合の中で弱さも見えたし、現状の弱さを教えてもらった。ビルダーズに負けてチームが変わった、といえるようにしなければいけません」

 9月15日に行われ、近畿最終予選の神戸ビルダーズ戦。カナフレックスとの代表決定戦に向けて勢いをつけるはずが、延長10回タイブレークの末、0―1で敗れた。決勝点を適時失策で献上しただけでなく、1点を追う10回裏は走塁死が重なりまさかの併殺。試合終了後、呆然とする選手たちの姿は、それだけショックの大きさを物語っていたように思う。

 歩みは順調そのものだった。昨年の都市対抗で16年ぶりの本戦出場を果たすと、今夏も厳しいマークを乗り越え近畿第3代表で2年連続出場を果たした。1回戦の東邦ガス戦は接戦を制し、記念すべき都市対抗初勝利。日本選手権も有力候補に違いなかったが、近畿地区の4枠に食い込めなかった。一体、何が足りなかったのか。大西は言う。

 「都市対抗でも1勝できてすごく良かった反面、選手権予選を勝ちきるまでに至らなかった。一つ思うのは、チーム内競争ができていたかどうか。選手権予選のスタメンに新しいメンバーが出てきてほしい思いもあったのですが、力をつけるというのがあまりできていなかった」

 全体を俯瞰した言葉が出てきたのは、大西自身が主将の立場に甘んじることなく、今季のスタメンを勝ち取っていたからだ。4月上旬に開催されたJABA四国大会は3試合ともスタメン落ち。「打たないと試合に出られない」ことを再確認し、4月中旬からは打撃改造に取り組んだ。「元に戻すのは好きではなかった」と言うが、立ち返ったのは大阪桐蔭時代。当時を参考にタイミングの取り方、バットの出し方、打撃フォームを見つめ直すと、すぐさま結果となって現れた。終わって見れば、主要公式戦は17試合で打率・327。変化をいとわず、率先して挑戦した分、底上げのなさに物足りなさは残った。

 「都市対抗が終わってから“すごく感動したよ”という言葉を何度ももらえて。京セラドームならもっとたくさんの社員の方々に見に来てもらえたと思うので、それもすごく残念だった。来季に向けて、個々がレベルアップしてしっかりと力をつける時。チームは若返りを迎えようとしているので、来年はそういう良さも出していきながら、都市対抗、選手権とも出場したい」
 物流管理部に所属。シーズン中でも社業に励む分、一般社員との繋がりも深い。屈辱の一敗を“ネセサリーロス”に変えるべく、主将として4年目となる来季も全力を尽くす。

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2022年11月14日のニュース