阪神・佐藤輝 近大先輩の“超人エール”に「ピンキーガッツ」で応えた90打席ぶりアーチ

[ 2022年9月18日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神2―3巨人 ( 2022年9月17日    東京D )

<巨・神>2回2死、先制の右越え本塁打を放ち、ポーズを決める佐藤輝(撮影・平嶋 理子)
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 やっと長いトンネルを抜け出した。阪神・佐藤輝は久々の一撃に、ベンチ前で跳びはねるように喜んだ。

 「芯で捉えたので、いい当たりだった。フォークがいいピッチャーなので、その球を捉えられて良かった」

 2回2死。戸郷のフォークをすくい上げるように捉え、ライナーで右翼席に突き刺した。実に8月20日の巨人戦以来、22試合90打席ぶりの19号。今季最長だった89打席ノーアーチの停滞に終止符を打ち、先制点をもたらした。

 昨季記録した自己ワースト91打席を目前で回避。田淵幸一(69、70年)に続く球団史上2人目の新人から2年連続20号にも王手をかけた。ダイヤモンドを一周すると、両手を横に広げて拳を握る井上ヘッドコーチの現役時代のガッツポーズ通称「ピンキーガッツ」を決めた。笑顔の姿からは、安堵(あんど)の表情も伝わってきた。

 “アニキ”が見守る中で恩返しの一発となった。現役引退を表明している糸井は近大の17学年先輩にあたり、公私ともどもかわいがってもらった。糸井には引退会見の際に「もっと練習せい」と激励され、「うまくなれるように頑張りたい」と気持ちを新たにしていた。常に気にかけてくれる先輩にささげる一撃を上昇への号砲に変えていきたい。矢野監督からも「そう(きっかけに)してほしいけどね」と活躍を期待された。

 「今日も一発が出ているので、残りも(ホームランが)出るように頑張っていきたい。目の前の試合を勝ちにいきます」

 リーグ優勝の夢は断たれたが、まだ日本一へのチャンスは残っている。残り7試合で最後の力を振り絞り、まずはCS進出を勝ち取りたい。(長谷川 凡記)

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2022年9月18日のニュース