東大 10季ぶり慶大に勝った!プロ志望届提出のエース・井沢、今季チーム初勝利導く6回2失点粘投

[ 2022年9月18日 05:00 ]

東京六大学野球第2週第1日   東大4ー3慶大 ( 2022年9月17日    神宮 )

<慶大・東大>勝利を喜ぶ松岡由(右)ら東大ナイン (撮影・西川祐介)
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 1回戦2試合が行われ、東大が慶大を4―3で破り、今季4試合目で初勝利を挙げた。井沢駿介投手(4年)が6回6安打2失点でリーグ戦先発初白星をマーク。チームは18日の2回戦で慶大に連勝すれば、17年秋以来、10季ぶりの勝ち点奪取となる。法大はリーグ初出場の山根滉太内野手(3年)が4回に初安打となる満塁本塁打を放ち、チームを今季初白星に導いた。

 井沢が笑顔でナインとハイタッチを繰り返した。21年春秋リーグ覇者相手に、先発で6回6安打2失点の粘投。21年9月26日の立大戦以来となる自身リーグ通算2勝目だが、先発では初白星だ。

 「実力は相手が絶対上だろうけど、自分がどう強気に攻めていけるか意識して投げました」。最大のピンチは1点リードの6回2死満塁。マウンドに駆け付けた井手峻監督から活を入れられ、決め球のカットボールで朝日を捕邪飛に仕留めた。「監督から“任せる”と言われたので1段階気持ちを上げました」。元中日の指揮官も「理想的な試合運び。井沢が先発して勝利投手になることが私の夢でした」とうなずいた。

 最速144キロ右腕は8日にプロ志望届を提出した。指名がなければ野球は大学でやめる覚悟だ。ネット裏の広島・苑田聡彦スカウト統括部長は「左打者へのカットボールがいい」と評価した。

 打線もエースを援護した。7回に4点目の右翼線適時二塁打を放った同学年の宮崎が語気を強めた。「井沢を先発で勝たせることが僕らも夢でしたから」。新型コロナウイルス陽性となり、開幕戦は隔離療養を余儀なくされた副将が笑った。

 チームは4引き分けを挟み、連敗を「17」で止めた。慶大戦勝利は、宮台(現ヤクルト)が2失点完投した17年秋以来10季ぶり。次の目標は17年秋の法大戦以来5年ぶりとなる勝ち点奪取だ。「1カード2勝は4年間したことないですから」と井沢はフル回転の覚悟を示した。(伊藤 幸男)

 ◇井沢 駿介(いざわ・しゅんすけ)2000年(平12)1月6日生まれ、札幌市出身の22歳。青葉小1年から青葉シャークスで野球を始め、青葉中では軟式野球部。札幌南では甲子園出場なし。1浪の末、東大理科2類に合格して、2年春からベンチ入り。50メートル走6秒7。遠投100メートル。憧れの選手はパドレスのダルビッシュ。リーグ戦通算34試合に登板し2勝17敗、防御率5.82。1メートル80、83キロ。右投げ右打ち。

 ▽東大の開幕週(10~12日) 10日の開幕戦で春覇者の明大と3―3のドロー発進。先発した井沢は6回1/3を7安打3失点で、3回に先制を許したが、その裏に打線が3得点で一時逆転した。2回戦は7投手の継投で臨み、7―11の惜敗。3回戦は再び井沢が先発し、5回終了時で3―3と渡り合った。井沢は結局6回8安打6失点で、試合も6―13で競り負けて勝ち点を落としたが、春覇者を苦しめた。

 ▽東大出身のプロ野球選手 過去には全て投手の6人を輩出。初の東大出身のプロ野球選手となった新治伸治は64年オフに大洋に入団し、通算88試合で9勝6敗、防御率3・29。66年ドラフト3位で中日入りした井手峻(現監督)は1年目の67年に初勝利を挙げ、通算17試合で1勝4敗、防御率5・18だった。現役では17年ドラフト7位で日本ハムに入団し、20年オフにトライアウトを経てヤクルト入りした宮台がおり、通算3試合に登板している。

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2022年9月18日のニュース