巨人ドラフト1位に浅野が浮上 高松商1メートル71世代最強スラッガー 高校生外野手は球団史上初

[ 2022年9月6日 03:00 ]

高松商の浅野翔吾
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 巨人が10月20日のドラフト会議で高松商(香川)の浅野翔吾外野手(17)を1位指名する可能性があることが5日、分かった。高校生外野手の1位での入団となれば球団史上初となる。今夏甲子園で3本塁打を放つなど高校通算67本塁打を誇る右の大砲はこの日、米フロリダ州で行われるU18ワールドカップ(現地9日開幕)へ向け羽田空港から出発。担当スカウトは現地でも視察予定で、最後まで動向をチェックする。

 巨人が今秋ドラフトで球団史上初の指名に踏み切る可能性が浮上した。今夏甲子園で3本塁打を放って名を売った高松商の浅野は高校生野手では指名リストの最上位。他球団も1位候補に挙げており競合覚悟の指名もある。松井秀喜も入団時は内野手で、球団で高校生外野手の1位での入団は過去に例がない。

 身長は1メートル71ながら広角に長打を量産するパワフルなスイングが浅野の最大の魅力。外野手として俊足を生かした守備範囲の広さと、強肩も兼ね備える。2年生だった昨夏の甲子園でも注目を集めていた逸材は今夏の佐久長聖戦で2打席連続アーチ。水野雄仁スカウト部長も「期待通りの打撃。プロに入ってどこまでやるのか見てみたい選手」と絶賛していた。球団は主将としてチームをけん引するリーダーシップや、注目されるようになっても変わらない謙虚な人間性も高く評価する。

 浅野は高校日本代表の一員として、米国で開催されるU18ワールドカップにも出場する。8月30日には立大との練習試合に臨み、初打席で右中間二塁打を放った。その試合を視察していた岸敬祐スカウトは「初打席から安打を打てるのはさすが。チームを引っ張らないといけないという姿勢もあって声も出ていた」と評価。ワールドカップも視察する予定で、高校最後の真剣勝負で木製バットへの対応力もチェックする。

 巨人は近年は17年に清宮(日本ハム)、村上(ヤクルト)、18年に根尾(中日)ら高校生野手を1位指名したが、いずれも抽選を外した。外野手の1位入団となれば09年の長野(現広島)以来で高校生に限れば球団史上初となる。大学生では日体大の二刀流左腕・矢沢宏太(4年)、社会人では東芝・吉村貢司郎ら即戦力投手が1位候補に挙がっているが、右打ちの外野手は慢性的に不足する補強ポイント。現在のチームも丸、松原、ポランコら左打ちが多く、支配下登録の右打ちは石川とウォーカーだけだ。

 坂本や岡本和に続く次世代の右の大砲候補である浅野。ドラフト直前までシミュレーションを繰り返すが、その評価は揺るがない。

 ◇浅野 翔吾(あさの・しょうご)2004年(平16)11月24日生まれ、香川県出身の17歳。屋島小3年から野球を始め、屋島中では軟式野球部に所属して3年時に全国大会8強。U15日本代表に選出。高松商では1年夏の県独自大会から出場し、2、3年夏に甲子園出場。50メートル走5秒9、遠投110メートル。1メートル71、86キロ。右投げ両打ち(左は下手投げなど変則投手時)。

 ▽今夏甲子園の高松商・浅野 チームの初戦だった8月11日の佐久長聖(長野)との2回戦は5、7回に2打席連発など3安打4打点で14―4の大勝に貢献。15日の九州国際大付(福岡)との3回戦も2―1で勝利し、18日は準々決勝で近江(滋賀)と対戦。同じくドラフト上位候補であるエース・山田陽翔(3年)から中越え2ランを含む3安打2打点をマークも、6―7で敗れて4強進出はならなかった。

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