エンゼルス 大谷と再建の道選択…トレードなし 試合では3戦連続安打

[ 2022年8月4日 02:30 ]

ア・リーグ   エンゼルス3―1アスレチックス ( 2022年8月2日    アナハイム )

<エンゼルス・アスレチックス>5回、二塁打を放った大谷は笑顔を見せる(撮影・大森 寛明)
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 大リーグは2日(日本時間3日)、トレード期限を迎え、チームの低迷により動向が注目されていたエンゼルスの大谷翔平投手(28)に動きはなかった。球団は主力3選手を放出した一方で、大谷を手放さずにチームを再建することを選んだ。大谷はアスレチックス戦で3戦連続安打をマーク。3日(日本時間4日午前10時38分開始)の同戦で1918年のベーブ・ルース以来、104年ぶりの「2桁勝利&2桁本塁打」達成に挑む。

 いつもの大谷らしく笑顔で見送った。フィリーズへの移籍が決まった弟分の外野手マーシュの肩を叩き、握手。しばらく話し込むと、最後は2人で大きな笑い声を上げた。

 ポストシーズン進出が絶望的となり、動向が注目されていた大谷に動きはなく、今季の残留が決まった。ペリー・ミナシアンGMは「We Love Shohei(われわれは翔平を愛している)。彼もここにいることを楽しんでいると思う」と笑顔。米メディアの報道によれば、ヤンキース、メッツ、ドジャース、パドレス、ホワイトソックスなどが交渉に動いていたが、アート・モレノ・オーナーが難色を示した。

 チームはトレード期間最終日にマーシュのほか、先発右腕シンダーガードを同じフ軍、守護神イグレシアスをブレーブスに放出し、売り手に回った。ミナシアンGMは「これが理想の方向だと思った」と説明。大谷の交渉過程には言及しない方針を貫いたが「翔平はわれわれにとって非常に価値のある存在。彼の存在に感謝している」と強調した。大谷とともに再建への道を目指すことを選んだ。

 そのためには、エ軍は覚悟を決めなければならない。大谷は今夏のトレード交渉で改めて価値の高さを証明した。来オフのFAに際し、メッツの右腕シャーザーの史上最高年俸4333万ドル(約57億6000万円)を上回る巨額の複数年契約が必要とされる。モレノ・オーナーは年俸総額の規定を超え、課徴金(ぜいたく税)を支払うことに消極的だが、大谷はかねてポストシーズン出場、そしてワールドシリーズ制覇を目標に置いており、このオフは補強への本気度も試される。

 試合前に大谷はブルペンで31球。1918年のベーブ・ルース以来、104年ぶりの「2桁勝利&2桁本塁打」が懸かる翌日の登板に備えた。この日はアスレチックス戦にDHでフル出場。トレード報道が過熱していたここ数日は表情が硬かったが、5回に3試合連続安打となる左翼線二塁打を放つと、二塁塁上でクシャッとした笑みを浮かべ、吹っ切れた様子にも見えた。

 前回7月28日の登板後に「数字はついてくるもの。ただ、やっぱ節目として大事」と語った10勝目。新たな気持ちで、100年以上の時をまたぐ偉業へとつながるマウンドに向かう。(柳原 直之)

 《“ダブル2桁”なるか》9勝&22本塁打で“ダブル2桁”に王手をかけている大谷は直近2度の登板は黒星を喫した。同じくあと1勝から3試合勝ち星を逃してシーズンを終えた昨季と合わせて「6度目の挑戦」となる。アスレチックスの先発は右腕カプリーリアンで、打者としては通算7打数無安打。一方、ア軍はチーム打率.215が両リーグワーストで、エンゼルスと同地区の最下位。大谷が1年目にメジャー初安打と初勝利をマークし、今年5月にはメジャー通算100号を放った相手でもある。

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2022年8月4日のニュース