パドレス・ダルビッシュ 5年ぶり5度目の10勝到達、志願の6回6安打3失点

[ 2022年8月4日 02:30 ]

ナ・リーグ   パドレス13-5ロッキーズ ( 2022年8月2日    サンディエゴ )

ロッキーズ戦に先発し、10勝目をマークしたパドレス・ダルビッシュ(AP)
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 2つの志願。パドレスのダルビッシュは、エースの自覚と責任感を胸に力投し、5年ぶり5度目の2桁勝利となる10勝目を挙げた。

 トレード期限日の先発。試合前、チームはナショナルズから20年首位打者のソト、通算127本塁打のベルの両スラッガー補強に成功した。「そこで負けてしまうと良くない時のパドレス、ってなっちゃう」。絶対に勝つと意気込んで臨んだ。

 球審の厳しい判定にも苦しみ4回までに3失点。球数は84とかさんだ。ルーベン・ニエブラ投手コーチは4回終了後に「あと1イニング」と伝えにきたが「監督に“120球までいく(投げる)から”と言ってくれ」と説得。5回を11球でまとめると、味方が逆転に成功してくれた。6回にはこの日最速の97・9マイル(約158キロ)を計測し「もう1イニングくれたので凄く気持ちが入りました」と振り返った。

 6回を6安打3失点。クオリティースタート(6回以上、自責点3以下)は5試合連続で20登板中、16回を数えた。10勝という数字には「自分が投げて、みんなで勝ったのが10回あるということ」と笑顔を見せた。

 続投も志願なら、ダブルヘッダー第1試合の先発も志願だ。「自分が最低でも6回を投げれば第2試合の継投戦術が楽になる」。決して得意ではないデーゲームながら、有言実行。ボブ・メルビン監督は「本当に素晴らしい」と信頼を寄せた。

 前日は救援左腕ヘイダーを獲得し、パ軍は今夏のトレード市場で最大の勝ち組になった。自身も17年の7月末にレンジャーズからドジャースへの移籍を経験したダルビッシュは「もちろんうれしい」と喜びつつ、同僚のホスマーらが去ることに「ワールドシリーズを一緒に戦うんだとスプリングトレーニングから一緒にきた。凄く寂しい」。さまざまな思いを抱えながら、球団初の世界一に向けて前を向いた。(笹田 幸嗣通信員)

 《黒田博樹に並んだ》ダルビッシュが17年以来、5年ぶり5度目の10勝到達。5度の2桁勝利は、日本選手では10~14年の(ドジャース、ヤンキース)に並んだ。田中将大(現楽天)はヤンキース時代、14~19年に6年連続で2桁勝利。最多は野茂英雄(ドジャースなど)で計7度(95~97、99、01~03)マークしている。

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2022年8月4日のニュース