エンゼルス・大谷 プロ10年目で初の満塁弾「もう打っているものだと」本人も意外な通算2906打席目

[ 2022年5月11日 02:30 ]

ア・リーグ   エンゼルス11―3レイズ ( 2022年5月9日    アナハイム )

<エンゼルス・レイズ>7回、満塁弾を放ち吠える大谷(撮影・光山 貴大)
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 実は初めてなんです。エンゼルスの大谷翔平投手(27)が9日(日本時間10日)、レイズ戦に「3番・DH」で出場。7回、プロ10年目で日米通じて初となる満塁本塁打を放った。今季の本拠地初本塁打となった6回の5号ソロに続く今季初の2打席連発など、自身最多タイの1試合5打点をマーク。日本選手では3人目となる通算100号にも王手をかけた。

 プロ10年目で初めての満塁弾に、大谷は言った。「自分の中ではもう打っているものだと思っていたぐらいですし…。知らなかった(笑い)」。日米通算2906打席、147本塁打目の「1号」は、本人にとっても意外な事実だった。

 7回無死満塁。11―3の圧勝の総仕上げは、メジャー初登板の右腕フォーチャーのカットボールを逆方向へ運んだ。左翼ブルペンに飛び込む満塁弾。フルスイングしたバットを下ろしながら、すぐには走り出さず「確信歩き」の完璧な一発だった。直前の6回は、今季本拠地1号となる10試合ぶりの5号ソロ。トラウトの2ランに続く今季初の2者連続弾は、今季左打者に対し無安打の左腕ビークスの初球カットボールを、左中間へ運んだ。

 好調の理由を自己分析。「一番は構えなので。構えがしっかりした方向で力が伝わっていないといい軌道に入っていかない。“8割5分くらい構えで決まっている”ぐらいの感じではいる」。昨季同様、今季も試合前、試合中にベンチで両手を顔の前に添えて構えの姿勢をとり、イメージトレを繰り返す。「ピッチングもそうだけど、どういうイメージで打席に立っているかが一番、大事」の信念。満塁弾の後、バランスを崩さず打球を見送った姿勢も、いい構えがあってこそだった。

 まだ打率は.252だが「打撃は良くはなっている」と言う。7、8日の2試合の打球は全て中堅から左方向。初回の右飛を除きこの日も、逆方向へ打球を飛ばした。MVPを獲得した昨年からの相手の変化への対応も、復調の理由のひとつ。昨季は「一昨年の内側(内角)の数字が悪かったので、最初は内側が多かったので、それを引っ張っていた」と分析。だが今季は「配球に偏りがなくなってきている」とし「甘い球はしっかりセンター方向に打つ。そこがやっぱり大事」という原点回帰が生きてきた。

 前日のサヨナラ激走から続く大谷劇場。初満弾に現地の実況も日本語で「スゴーイ!ワオ」と熱狂した。米メディアも「今季もMVP受賞の準備はできている」とした1試合2発は、4月15日のレンジャーズ戦以来だが、手応えが違う。「あの時はたまたま出た感が強かったですけど、今日の2本に関してはしっかり良いイメージを持って打席に立っているので、そこは違うかな」。王手をかけたメジャー100号は、あっという間に超えることになる。(笹田 幸嗣通信員)

 《無死満塁では10打数4安打》大谷が日米通じて初めての満塁弾。メジャーでの走者別打率では満塁は35打数9安打の.257で、走者一塁の.253に次いで低い。ただ、無死満塁では10打数4安打の.400、2死満塁では16打数4安打の.250なのに対し、1死満塁が9打数1安打の.111。他の状況も含めると打率1割台なのは無死二、三塁の.143と2ケースある。

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2022年5月11日のニュース