ソフトB東浜という男 酒を飲んでも狂うことのない体内時計 体に染みついた再現性高い独特フォーム

[ 2022年5月11日 21:35 ]

パ・リーグ   ソフトバンク2─0西武 ( 2022年5月11日    ペイペイD )

<ソ・西>ノーヒットノーランを達成し甲斐と抱き合って喜ぶ東浜(撮影・中村 達也)
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 ソフトバンクの東浜巨投手(31)が11日の西武7回戦(ペイペイドーム)で無安打無得点試合を達成した。プロ野球84人目、95度目で沖縄出身の投手は初めて。今季、ロッテの佐々木朗希投手(20)が4月10日のオリックス戦で完全試合を達成しているが、球団では、1リーグ時代の1943年の南海・別所昭(後の毅彦)、2019年9月6日のロッテ戦で達成した千賀滉大投手以来、3人目の快挙となった。2018年から3年間、ソフトバンクを担当した川島毅洋記者が東浜投手のすごさを語った。

 性格は真面目で几帳面。球場で観戦したことがあるファンならピンと来ると思うが、東浜は投げる前にマウンドのプレート板をきれいにしてから投げる。「ちょっとやり過ぎだとは自分でも思っているんですけど」と聞いたことがあるが、心を整える意味合いもあるのだろう。

 亜大では主将を務め、母校の沖縄尚学で教育実習も経験。文武両道を貫き、ドラフト1位でソフトバンクに入団した。得意球のシンカーの変化量は「自分の中でバロメーター」。この日も切れ味は素晴らしかった。大学時代からプロ入り後も、きれいなプレートは三塁側を踏んでいたが、近年は真ん中を使うようになった。両サイドの投げ分けを意識しているのだろう。

 投球フォームは、独特のリズム感を持っている。ワインドアップから左足を上げるスピードは、他の投手がなかなかマネをできないほどゆっくりと上げる。体に染みついた感覚があるから、同じタイミングで投げられる。

 体内時計もきっちりしている。3年前、宮崎春季キャンプの休日前夜に、宮崎市内の地鶏店で食事をしたときのことだ。酔いが回った頃に、目をつぶってストップウオッチで20秒で止めるゲームになった。酔っ払い数人がチャレンジし、18秒や23秒でボタンを押す中、大トリで東浜が挑戦。結果は、何と「20秒00」だった。あれは驚きました…。今日の快投を見れば、今年は「20」くらい勝てるかも。(18~20年ソフトバンク担当・川島 毅洋)

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