広島 今季最多12得点大勝 スタメン抜てきの若ゴイ躍動!矢野&中村健が初回6点貢献タイムリー

[ 2022年5月4日 05:30 ]

セ・リーグ   広島12-3巨人 ( 2021年5月3日    マツダ )

<広・巨>ヒーローインタビューを終えプロ初安打の記念ボールを手に広島・矢野は中村健(左)とポーズをとる(撮影・奥 調)
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 広島は3日の巨人戦で今季最多12得点の大勝を決めた。初回に中村健人外野手(24)がプロ初打点となる適時打を放つと、プロ初先発の矢野雅哉内野手(23)も初安打初打点で続いて一挙6得点。菊池涼、会沢が先発を外れた一戦で若ゴイが起用に応え、今季最多3万580人の観衆の前で連敗を2で止めた。

 先発出場は新人の中村健が2度目、大卒2年目の矢野は初めて。立て続けの抜てきには、明確な根拠があった。中村健が長野、末包らを押しのけて右翼で先発したのは「(1日中日戦の代打で)三直だったけど、柳のカットボールに対応できていたから」(朝山打撃コーチ)。柳の変化球に反応した中村健の一打に、首脳陣は変化球を中心とする赤星を攻略できると見ていた。

 この狙いが見事にあたる。坂倉が先制打を放った直後の2死一、三塁。中村健は、カウント2―1からのカーブに反応した。打球が左中間を転がる隙に一塁を蹴る好判断を見せ、間一髪で二塁打に変えた。これがプロ初打点の適時打となった。

 「つなぐぞという思いでフルスイングしようと打席に臨んだ。いい打撃のあとは隙を突けるように、次の塁、次の塁と狙っていた」

 続く小園が四球を選んで矢野に打席が回った。「四球のあとだったので“初球から勝負にくる”と甘めの直球を狙っていた」。狙い通り、初球の真ん中直球を中前に運んで2人を生還させた。プロ8打席目での初安打初打点。ガッツポーズを繰り返した一打に「うれしかった。やばいです。悔しい思いをしてきたので、打てて良かったです」と記念球を右ポケットにしまった。

 三塁は田中広か矢野かの2択だった。1日の中日戦で先発した田中広は無安打2三振。朝山打撃コーチは「競争だからね。チャンスを与えようと思った」と若手の勢いにかけた結果、初回の一挙6得点につながった。

 中村健は9―1の4回1死一塁から左前打を放ち、ダメ押しとなる1イニング3得点にも貢献した。開幕から1軍に同行し続けるも試合前までは計7打席のみ。それでも、佐々岡監督は「(中村健は)練習から(実戦を)想定した打撃練習をしている。代打でも入りのいい姿は見ていますから」と高く評価してきた。

 中村健は「次のチャンスを逃さないように日々取り組んできた。誰を試合で使ってもいいと悩ませるぐらいになれば、3連覇したときのような強いカープができあがる」と思い描く。リーグ3連覇を知らない新世代が新たな風を吹かせている。(河合 洋介)

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2022年5月4日のニュース