阪神・佐藤輝 菅野撃ち今季最長130メートル“右翼バルコニー席弾”で4連勝「打った瞬間いった」

[ 2022年4月30日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神3-2巨人 ( 2022年4月29日    東京D )

<巨・神>3回2死一塁、佐藤輝は菅野から先制2ランを放つ(撮影・大森 寛明) 
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 阪神は29日、3―2で巨人に競り勝ち、今季初の4連勝を飾った。3回2死一塁から、佐藤輝明内野手(23)が右翼バルコニー席へ突き刺す決勝の7号先制2ラン。自身、月間最多7本目となる一発で、チームとして初めて菅野に対し2試合連続で黒星をつけることに成功した。敵地では今季4戦目にして初勝利。開幕から苦しみ抜いてきた猛虎が、反攻の態勢を整えつつある。

 紛れもなく、会心の当たりだった。誰もが見ほれる驚異の弾道。それは、張本人である佐藤輝とて同じだった。打席内でしばし行方を見届けたのち、悠々とダイヤモンドを一周。アーチストとしての真価を存分に見せつけ、チームに今季初の4連勝をもたらした。

 「打った瞬間いったかなと思って。ランナーを還そうと。しっかり自分のいいスイングができたと思います」

 今季初の3連勝で乗り込んだカード初戦。見せ場は、0―0で迎えた3回2死一塁の第2打席に訪れた。菅野が投じた143キロのやや真ん中に入った直球を一閃(いっせん)。敵地を静寂に包み込んだ打球はグングン速度を上げ、右翼バルコニー席へと突き刺さった。今季最長飛距離となる推定130メートル弾は、決勝の先制7号2ラン。今月15日の対戦に続く菅野からの2試合連続弾で、チームとして初めて菅野に対して2試合連続で黒星をつけることができた。

 「(打てたのは)成長ということでいいでしょう。多少、詰まってもドームだったら入るだろうし、そこらへんは意識していました」

 キャリアを塗り替え、コメントにも風格が漂った。これで自己最多となる月間7本塁打。昨季は6本が3度あったが、開幕間もない4月にあっさりと殻を破った。昨年の秋季キャンプから藤井康1、2軍巡回打撃コーチと二人三脚で打撃フォームの見直しを敢行。シーズンに入ってからも微調整を繰り返してきた。「教えてもらったことを取り入れつつ、それが今はいい感じになってきていると思います」。日々の練習で理解と精度を高めてきたからこそ、充実感をにじませた。

 この日も青柳の好投に応えた。「守りやすいし、いいリズムができているんじゃないかと思います」。青柳が今季登板した3試合は、12打数4安打2本塁打5打点。全試合で打点を稼ぎ、勝利をアシストしている。

 上昇気流に乗りつつあることは間違いないが、まだシーズン8勝目。この程度で満足できるチームではない。「まだまだ勝ちが足りていないので、勝ちます」。思いは一つ。反攻のキーマンとして貪欲に、白星を積み重ねていく。(石崎 祥平)

 《東京Dの巨人戦初アーチ》佐藤輝(神)が3回、先制の7号2ラン。菅野からは前回対戦の4月15日に続く通算2本目。阪神選手で菅野からシーズン2本塁打は19年木浪、20年近本に続く3人目で、2戦連発は木浪以来2人目(近本は1試合で2本)。今季の7本はすべて4月にマーク。月間7本塁打は昨季4、5、6月の6本塁打を超える自己最多。東京ドームでは通算4本目だが、過去3本はDeNA戦。巨人戦で打ったのは初めて。また、菅野は阪神戦通算20勝12敗と白星先行だが、今季は3試合で○●●。阪神打線が2試合連続で黒星をつけたのは今回が初めて。

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