ソフトB・津森 愛の“救援” 甲子園初出場の母校・和歌山東に総計100万円相当の用具プレゼント

[ 2022年3月8日 05:30 ]

センバツ出場する母校に野球道具を寄付することを明かした津森(撮影・岡田 丈靖)
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 先輩、ありがとうございます!ソフトバンクの津森宥紀投手(24)が、第94回選抜高校野球大会(18日から13日間、甲子園)で春夏通じ初の甲子園に挑む母校・和歌山東の野球用品新調費、約100万円相当を全額負担する。同校は大会開幕日の18日、第2試合で倉敷工(岡山)と対戦。プロ3年目の太っ腹OBの強力サポートで、創部12年目の球児たちは合言葉でもある“魂の野球”で恩返しする。

 宮崎春季キャンプ終了後、津森はすぐに母校・和歌山東の手助けに動いた。初の甲子園を前にチームの野球用品の新調費を全額負担することを決めた。捕手道具一式や一塁ミット、バット、ヘルメット、部員31人分のTシャツ代など約100万円相当。当然、エールを添えた。

 「初めてで緊張するとは思いますが、そのままで。和歌山東高校らしい、はつらつとして、思い切ったプレーで、頑張ってもらえたらと思います」

 変則横手右腕の津森は東北福祉大から19年ドラフト3位入団。昨季までに59試合に中継ぎ登板した。最大の魅力は投げっぷりの良さ。原点は和歌山東での3年間にあるという。

 「強い気持ちは監督から教わった。練習の中でも自分の自信になっていったものがある。それが魂ですかね」。米原寿秀監督が掲げるチームの合言葉は“魂の野球”。津森は米原監督の助言で1年秋に上手本格派から横手投げに転向。創部以来初めてのプロ選手に成長した。

 後輩には、真新しい野球用品で大暴れしてほしい。そんな思いが津森にはある。2年春から2桁の背番号ながら主戦を務めたが、最後の夏は「ぶざまな負け方でした」と回顧する3回戦敗退。後輩たちは、昨秋の和歌山大会準決勝で強豪・智弁和歌山を撃破している。初聖地での目標を8強に定めるだけに自身の思いも託した。

 津森は、ここまで今季対外試合4試合に登板。計5回を1安打無失点と順調だ。藤本監督も「1年間、急きょの登板は津森にはあるかも分からないです。どんなときでもいってほしい。そういう投手も必要になってくる」と欠かせない中継ぎとして厚い信頼を置く。度胸抜群な頼もしき救援投手、津森先輩は開幕前に母校の刺激も欲している。

 ▽和歌山東 和歌山市にある公立の全日制普通科校。1974年(昭49)創立で男女共学、校訓は「自主・自立・敬愛」。生徒数531(女子237)。硬式野球部は軟式野球部を経て2010年(平22)に創部。初年度の智弁和歌山戦では卓球部員が投手を務め、西川遥輝(現楽天)が遅球に三振した。津森のほか、主なOBはプロレスラーの田中将斗、映画監督兼俳優のSABUら。

 ◇津森 宥紀(つもり・ゆうき)1998年(平10)1月21日生まれ、和歌山市出身の24歳。和歌山東では甲子園出場なし。東北福祉大では3年の全日本大学選手権で2勝、防御率0.00をマークし、14年ぶりの優勝に貢献。最優秀投手賞に輝く。4年の同大会は8強。2、3年時に大学日本代表入り。19年ドラフト3位でソフトバンク入団。1メートル76、83キロ。右投げ右打ち。

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