阪神・佐藤輝 追い込まれても空振りせず今春“2号” 昨季苦戦した内角克服し実戦打率・458まで上昇

[ 2022年2月25日 05:30 ]

練習試合 ( 2022年2月24日    沖縄・宜野座 )

紅白戦の7回、右越えソロを放つ阪神・佐藤輝(撮影・椎名 航)
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 進化の兆しだ。阪神・佐藤輝明内野手(22)が、24日に行われた紅白戦で今春“2号”を放った。2ストライクまで追い込まれながらも、昨季苦戦した内角真ん中にきたフォークを一発で仕留め、右翼ポール際へ弾丸ライナーを突き刺した。今春実戦7試合で打率・458。率も残せる長距離砲への道を着実に歩んでいる。

 昨季とはひと味違う予感を漂わせた。紅組の4番・佐藤輝が進化の兆しを見せたのは7回。先頭・マルテから2者連続となる豪快弾に、宜野座村野球場から大きなどよめきと拍手が巻き起こった。

 「練習で意識していることをそのまま試合で、強いスイングをすることを心掛けていきました」

 湯浅に3球で追い込まれながらもファウルで粘り、2ボール2ストライクからの7球目。内角真ん中の141キロフォークを一閃(いっせん)した。「しっかり芯に当たったんで。ちょっと浮いてきた変化球でしたけど、捉えることができました」。低空で飛び出した鋭いライナーは、瞬く間に右翼ポール際に着弾。失投とはいえ、昨季は打率・186と苦手としていたゾーンを完璧に仕留めた内容に、矢野監督は「あれも良くないときやったら、ファウルになると思う」とうなずいた。

 「ボールを見られて、今やっていることができている」

 藤井康1、2軍巡回打撃コーチの指導のもと、理想の打撃フォームを追求している今キャンプ。「自分の軸でしっかり立って、いい形でボールを待てている」と佐藤輝は手応えを口にする。軸の重要性を最初に説いたという同コーチは「いい待ち方ができればストライク、ボールの見極めは必然的によくなってくる。ちゃんとした自分の軸に沿って、地面に対してしっかり立てている。ずっと継続できているね」と改めて評価。現にこの試合、3打席6スイングで1度も空振りしなかった。

 昨季は歴代ワースト6位タイの173三振だったが、今春はここまで実戦7試合で4三振。20日の中日戦から2戦連続マルチ安打で、打率は・458まで上昇した。「もちろん3割は超えたいですし、目標の一つにあります」。率も残せる長距離砲への進化に、期待は否応なしに膨らむ。

 思えば、5日の紅白戦で藤浪から放った今春1号も、昨季は苦手としていた外角高めを捉えたものだった。「(ホームランが)出る出ないに関係なく、いい形では打てている。このままやっていきたい」。口を突く言葉に、充実ぶりが表れる。つかんでいる好感触を確固たるものにすべく、継続あるのみだ。(阪井 日向)

 ▼巨人・志田宗大スコアラー いろいろ試していることと、考えていることが一致してきている。(この日は空振りゼロ)去年空振りで終わっていたのがバットに当てて逃げられている。魅力を最大限に生かすバッティングは怖い。

 ▼広島・岩本貴裕情報課主任 (本塁打に)ああやって(内角の球を)拾えているのは、しっかりと体を入れることができているから。三振しないのはもちろん大事で、自分なりに考えてやっているのはいいこと。

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2022年2月25日のニュース