日本ハム 室伏臨時コーチから腰の爆発力指導 新庄ビッグボス「ボールが割れないか心配」

[ 2022年2月25日 05:30 ]

室伏スポーツ庁長官(右)から講義を受ける日本ハムナイン
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 日本ハム・新庄剛志監督(50)の要請を受け、04年アテネ五輪ハンマー投げ金メダリストの室伏広治スポーツ庁長官(47)が24日、沖縄・名護キャンプで臨時コーチを務めた。打者の回旋運動に重要な股関節の動きなどを指導。指揮官は、爆発的なパワーを伝える鉄人理論の野手陣への浸透を大きく期待した。今キャンプで外部から指導を行ったのは室伏長官で6人目。新庄監督の成果への胸の高まりは止まらない。

 
 鋭い腰つきで選手が次々と強烈なライナーを飛ばした。力を入れずとも打球が勝手に飛ぶ、飛ぶ。新庄監督は「バッティングを見たら選手が変わった感じがしましたね。爆発力というか」と室伏塾の効果にご満悦だった。

 背番号「6624(ムロフシ)」のユニホームを着た室伏長官が、選手に伝えたかったのは腰の回転について。「回旋運動は自分で回旋しようと一生懸命ひねらなくても、重心のかけ方で勝手に回り出す」。コツをつかめばバットを振る、ボールを投げる際に「力の使い方一つで大きな力が出せるということを伝えた」と説明した。

 実演でも証明した。全体練習後のウエートトレーニング場。室伏長官の右手を両手で握った万波に今川とスタッフが連なり、それぞれの腰を持った。室伏長官が腰を回転させ手を引くといとも簡単に3人が前方へゴロン=写真(北海道日本ハムファイターズ提供)。腰を回転させてパワーを生むコツを披露した。新庄監督も右足付け根付近を指しながら「ここが何センチかずれるだけでパワーが伝わらなくなる」と力説。野村は「動きが僕たちと全然、違う。柔らかさも正確性も」と驚きを隠せなかった。

 「身体能力にめちゃくちゃ自信があった」という50歳の新庄監督が、自身と比較し「ファイターズとソフトバンクくらいの差があった」という47歳の室伏長官。午前には筋肉を一つずつ意識してストレッチする方法など、地道なトレーニングの積み重ねをナインに伝授した。練習中に2人で長時間、話し込んだ新庄監督は「内容は言いたくない。来てもらったのは、まあ、僕の手柄なので、これを他チームには渡したくない」と言うほど大きな収穫。「この(右腰の)押しが距離を出すというからどうしても教えてほしくて。野手がバッティングしたらボールが割れないか心配」と打力向上への胸騒ぎは、止まらなかった。(東尾 洋樹)

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2022年2月25日のニュース