【単独インタビュー】広島・小林の「1軍」への思い 大瀬良、栗林に食らいついて質問する胸中とは

[ 2022年2月25日 07:00 ]

<広島・小林樹斗インタビュー>今季への意気込みを語った小林(撮影・坂田 高浩)
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 広島・小林樹斗投手(19)が、きょう25日からの春季キャンプ最終クールを前に本紙の単独インタビューに応じた。高卒2年目の今春は1軍キャンプに初参加。16日のDeNAとの練習試合(宜野湾)では3回無失点と好投し、開幕ローテーション入りに向けて着実に前進している。大瀬良ら先輩からの助言を生かして、先輩とともに1軍で1年間戦い続ける決意を明かした。(構成・河合 洋介)

 ――春季キャンプも最終クールを残すのみとなりました。大瀬良ら先輩に積極的に質問する姿が印象的です。
 「結果を残されてきた先輩方に話を聞けるチャンスは、いままで多くなかった。自分に持っていないものがあるはずなので聞きに行かないともったいない。聞くことを遠慮するよりかは、勇気を出して何かを得たいという気持ちが強いですね」

 ――大瀬良からカーブやチェンジアップを学んだと聞きました。
 「変化球では直球系のカットボールやスプリットに自信があるのですが、シート打撃や紅白戦に投げたときに、粘られると“投げる球がないな”“ファウルにされるとしんどいな”と感じた。やっぱり先発をやりたいという思いがある中で、緩い球を初球に見せておくだけでも打者の頭の中に意識付けができると思ったので聞いてみようと思いました」

 ――大瀬良の助言は具体的にどのようなものでしたか。
 「握りは、いままで投げていたカーブと同じでした。だけど球の軌道やイメージの部分が少し違いました」

 ――イメージが違う?
 「構えているミットの少し高めから球の軌道をイメージしていくと教えていただきました。カーブは得意ではなかったのですが、少し意識を変えるだけでも変わったな…と。まだまだ完成形には近づいていないですけど、何か見つけられればいいなと思っています」

 ――栗林と数十分間話し込む日もありました。
 「先輩方に聞いたことは全部、一度はトライしてみようと思っています。栗林さんにカーブなどを教えてもらったあとにブルペンに行って少し投げたんですけど、いままでと違う感覚で投げられました。同じ軌道で投げ続けられたので、いい感じだと思います」

 ――直球が長所ですが、遅い球を実戦で試しながら磨くのは勇気がいると思います。
 「もちろん、真っすぐという自分の中での軸はぶらしていません。プラスアルファとして何かほしいな…と思ったときに、緩急を伸ばしたいと思いました。何とか一つでもモノにできればいいなという思いでやっています」

 ――高卒2年目で開幕ローテーションを争う位置まで来ました。
 「去年の最終戦に投げてから、今年はずっと1軍にいたいという思いがより強くなりました。開幕1軍をかなえて、1年間通して1軍に居続けるためには、どうすればいいのかを考えて練習しています。常にレベルアップするぞという気持ちを忘れずに、ハングリー精神を持って日々成長できればいいなと思っています」

 ――高卒2年目で先発を守り続けるのは容易ではありません。中6日で回り続けるイメージはできますか。
 「イメージはしていますけど、ケガなど何が起こるかは分からない。(大瀬良)大地さんも“この年(現30歳)になって気付くことが多い”と話していました。僕も、いまからできることには最大限取り組みたい。細かなエクササイズだったりストレッチなどから大切にしていかないと1年間戦えない世界だなと感じています。1年間1軍で投げ続けられるように頑張ります」

 ▽[広島]小林のプロ初登板 新人の21年11月1日、シーズン最終戦のヤクルト戦(神宮)で先発。5点の援護を得て2回まで無安打4奪三振の完璧な立ち上がりも、3回に2失点。4回には2四球と味方の失策などで逆転を許して途中降板。3回2/3を6安打6失点(自責4)だった。降板後の逆転で黒星は回避。ホロ苦デビューの一方で山田、村上から計3個の三振を奪うなど非凡さもアピールした。

 ◇小林 樹斗(こばやし・たつと)2003年(平15)1月16日生まれ、和歌山県出身の19歳。智弁和歌山では1年春からベンチ入りし2年秋から背番号1。2年春夏に甲子園出場。20年ドラフト4位で広島に入団し、1年目の昨季に球団高卒新人では9年ぶり4人目となる先発登板を経験。1メートル82、84キロ。右投げ右打ち。

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