26年ぶりリーグ連覇&日本一、延長12回制…オリックス浮沈の鍵握るブルペン 期待値高い2人の右腕

[ 2022年2月16日 09:00 ]

オリックスの近藤(上)と黒木
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 「近藤と黒木がいるからなあ」

 昨秋、22年シーズンに向けた新外国人投手の獲得情報を取材していた時のこと。球団幹部に“救援タイプの助っ人腕を獲りに行くのか?”と尋ねた返答が冒頭の言葉だった。25年ぶりのリーグ優勝を果たしたオリックスの課題の一つがブルペン強化。救援防御率3・33は僅差とはいえリーグ5位だったからだ。

 近藤大亮投手(30)と黒木優太投手(27)。ともにトミー・ジョンからの再起を目指す、15、16年のドラフト2位右腕に対する球団の期待値は高い。

 近藤は2年目の17年から3年連続50試合登板。伸びのある直球とフォークは、終盤の勝負どころを任せられる素質十分と言える。黒木は球威抜群の直球を武器に1年目の17年にセットアッパーをつかむと、55試合で6勝25ホールドを記録した好素材だ。

 春季キャンプでは着実に復活への段階を踏む。近藤が「少し張りが出てきていますが、いろんな人に聞いても、そういうのを繰り返して、強くなっていくのがトミー・ジョンだと。しっかり、やっていくだけですよね」と言えば、黒木も「去年のキャンプでは、どうしても力が入ってしまったので、今年は、あせらずに」と、慎重に調整を続けている。

 必要とされる場面は絶対にやってくる。NPBは今季公式戦で従来の延長12回制に戻す方針を確認。20年は延長10回のみで、21年は9回打ち切りだった。昨季は中嶋監督ら首脳陣の方針で、救援陣の状態管理を徹底し3日連続登板はゼロ、50試合以上登板したのも51試合の富山だけだった。延長12回まで実施されることになれば、救援陣の負担は増す。

 平野佳は「しんどいですが、自分(の評価)に、はね返ってくると思えば喜んでやるべき。みんなで頑張っていきたい」と言った。昨季、古巣復帰した守護神を中心に、ベテラン能見や比嘉、若手では富山や吉田凌が頭角を現し、K―鈴木や村西もブレークの気配が漂う。近藤や黒木だけでなく、右肘クリーニング手術からの復活を期す沢田もいる。96年以来26年ぶりのリーグ連覇&日本一へ、ブルペン陣の充実度が、浮沈の鍵の一つとなる。(記者コラム・湯澤 涼)

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2022年2月16日のニュース