×

奄美大島から狙う「日本一」 最速146キロ左腕のエース稼頭央が“確実にした”一般枠での甲子園

[ 2022年1月27日 05:30 ]

センバツ出場校28日発表

大島高校の大野
Photo By スポニチ

 【春に駆ける(下)】 鹿児島市と沖縄本島の中間に浮かぶ離島、奄美大島。その中央部にある大島が昨秋の九州大会で準優勝し、一般枠では初となる選抜出場を確実にした。

 14年に21世紀枠で出場して以来、8年ぶりの“春”。原動力になったのは今秋ドラフト候補に挙がる最速146キロ左腕、大野稼頭央(2年)だ。帽子のつばに昨夏の大会前から「日本一」と記し「チームとしても投手としても日本一になる」と意気込む。

 地元・鹿児島で行われた昨秋の九州大会。毎試合、奄美大島から大応援団が訪れた。1回戦の大分舞鶴戦は雨の中で先発し、力強い直球主体に延長10回まで186球を投げ、16三振を奪う力投。そして引き分け再試合の翌日も先発マウンドへ。この日は「生命線」と話すカーブに加えスライダーなど変化球中心の投球となり9安打を浴びたが、毎回の12奪三振で2失点完投。塗木哲哉監督は「いろんな(形の)ピッチャーに自分を変えられるところが彼の成長」と称えた。準々決勝の興南戦は6安打完封で「ほっとした。うれしかった」と涙がこぼれた。

 西武、楽天、メジャーでも活躍した松井稼頭央氏(現西武1軍ヘッドコーチ)の大ファンだった父から「稼頭央」と名付けられた。島を出て強豪私学への進学も選択肢だったが、「(捕手の)西田とか、今のチームメートに残ってほしいと説得された」という。「どこに行っても目指す場所は一緒。迷いはなかった」と決めた。

 3試合で467球を投じ、1週間500球の球数制限と疲労も考慮され準決勝、決勝では登板せず。準決勝では主将の武田涼雅(2年)が8回1失点の好救援。チームメートが奮起して決勝に進んだ。武田は「大野が投げないと勝てないと言われるのは嫌だった。投げない中で勝てたのは成長」とチーム力アップに手応えを感じた。

 大野の父は同校OB。14年の選抜は家族全員で現地観戦した。大野は「ここでプレーできたら楽しいだろうな」という強い目標ができた。冬に体重も増え調整は順調という。「自分の中で将来の進路はプロ一本」と語った。楽しみにしていた聖地でのプレーが、間もなく実現する。 (杉浦 友樹)
  =終わり=

 ▽大島 鹿児島県の奄美大島の奄美市にある県立高。鹿児島市から直線距離で約370キロ。1901年(明34)に大島農学校として創立。大島中学、大島高等学校第一部を経て56年に現校名となった。学科は普通科のみで進学率は96%。全校生徒は714人(女子367人)。野球部は73年創部。部員数は37人(女子マネジャー5人含む)。校訓は「和親・協同・自治・奉仕」。

【離島勢のセンバツ戦績 洲本は53年春に初出場で初優勝】
 甲子園に出場した主な離島勢では、洲本(兵庫・淡路島)が53年春に初出場初優勝を達成。75年夏、86年春、12年春と4度、出場した。久賀(現周防大島、山口・周防大島)は62年春、99年夏に出場し、ともに初戦敗退。八重山商工(沖縄・石垣島)は06年春に初出場し、同年夏は3回戦に進出した。近年では小豆島(現小豆島中央、香川・小豆島)が16年春、大崎(長崎・大島)が21年春にそれぞれ初出場したが、初戦で敗れた。

続きを表示

この記事のフォト

「始球式」特集記事

「落合博満」特集記事

2022年1月27日のニュース