楽天ドラ4・泰 大好きな「ばーば」と入寮、「そばで見ていてほしい」祖母の遺骨入ったネックレス持参

[ 2022年1月7日 05:30 ]

祖母の遺骨が入ったロケットのついたネックレスを持つ泰(撮影・篠原岳夫)
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 そばで見守っていてください――。そんな思いが込められた宝物だ。楽天の新人選手が仙台市内の「犬鷲寮」に入寮。ドラフト4位左腕・泰(たい=神村学園)は、昨夏に亡くなった祖母の遺骨入りネックレスを持ち込み、故郷・奄美大島から遠く離れた仙台でプロとして新生活をスタートさせた。

 「プロ野球選手になったのを見せられていないので、プロで活躍できる時にそばで見ていてほしい。常に身につけておきたいです」

 シルバーのネックレスの先に光るペンダントには、大好きだった「ばーば」の遺骨が入っていた。父方の祖母・勝子さんは、がんとの闘病の末、昨年8月に天国へ旅立った。小学校の運動会では鍋を叩いて応援してくれるほど元気な人だったが、昨夏の鹿児島大会で準決勝敗退した直後に実家に戻ると「痩せ細って全く別人のようになっていた」と振り返る。

 南の島で生まれ育った泰にとって、新たな本拠地は驚きいっぱいの環境だ。仙台駅に降り立った直後、エスカレーター付近に積もっていた雪で人生初の雪だるまを作り「だいぶ冷たくてびっくりした。めちゃくちゃテンション上がります」と無邪気に笑った。

 開幕後はネックレスとともにデビュー戦のマウンドに上がるつもりだ。10日には新人合同自主トレがスタートする。「勝利(かつとし)」という名前は祖母から「勝」の字をもらった。「何事にも負けない気持ちの強さを見てほしい」。名は体を表す。祖母と一緒にプロの世界で体現してみせる。(重光 晋太郎) 

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2022年1月7日のニュース