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日本ハム・新庄ビッグボスの心をキャッチした2代目“相棒” 新興メーカー「My’s」新グラブ

[ 2021年12月20日 05:30 ]

日本ハム・新庄監督のグラブを製作したマイズ・前田社長(左)と山下役員
Photo By スポニチ

 日本ハム・新庄剛志監督(49)が就任してから、1カ月半が過ぎた。現役時代にゴールデングラブ賞を10回受賞するなど、外野守備に絶対的な自信を持っていたビッグボス。11月の秋季キャンプ視察前に新調したのが、とある新興メーカーが仕立てたグラブだ。こだわりが詰まった新たな「相棒」の、誕生秘話に迫った。

 新庄監督が、阪神1年目の90年に初めての給料で買った7500円のグラブを、06年に日本ハムで現役を引退するまでの17年間、使い続けたのは有名な話。その思い出の品は10年前の11年8月、父・英敏さんの葬儀の際に棺に納めた。指導者として手にする、2代目の「相棒」は、一通の手紙から生まれた。

 今年4月に販売を開始した大阪府豊中市のグラブメーカー「My’s(マイズ)」の前田大輝社長(30)が新庄監督の誕生が間近となった10月のある日、同社の定番モデルとともに手紙を送った。全国的には無名の会社。まだプロ野球選手との契約がないことを逆手にとって「口説き文句」にした。

 「プロでは新庄さんが第1号。(背番号の)1番が好きかなと。誰かが使っていたら、使ってくれなかったかも」。新庄監督が「弟子」と呼ぶレゲエ歌手・HARTY(36)が前田社長と同じ香川西野球部のOBだった縁も後押し。HARTYを仲介役に頼りつつ、役員の山下駿氏(27)とともに製作させてほしいと手紙で売り込んだ。長く使ってもらえるグラブを作るのが、マイズのコンセプト。それは新庄監督の現役時代のスタイルにも重なった。

 やがて、「もっと派手にして」とのリクエストが届いた。「脳みそに汗をかきながら、山下と、どうやったら気に入ってもらえるかと悩みました」。小中学生の頃にテレビでプレーを見ていた憧れの存在で、「本当にめちゃくちゃ見ていたので」と何とか喜んでもらおうと試行錯誤。赤、黒、金を基調としたグラブを完成させた。

 すると、納品した11月6日に予告なしで「お洒落(しゃれ)なグローブを作って頂きました!!My’sさん有難う御座います!!」(原文まま)と、写真とメッセージが新庄監督のインスタグラムで公開された。前田社長は知人から「ネットニュースになってるで」と連絡を受けて知ったというサプライズ。その後、マイズのSNSを通じて本人から「ありがとう」と感謝を伝えられ、「めっちゃテンション上がった」と興奮気味に振り返った。

 春季キャンプまで、あと1カ月半。前田社長は、新グラブでの指導を待ちわびるとともに「もっと良いものを」と、新作の準備も進めている。同じ赤、黒、金を基調にしつつ「BIGBOSS」の刺しゅうを入れる予定だ。「話題づくりも上手で、マーケティングの観点においても凄い。プロ野球をエンタメ化してほしい」。球界へ新風を吹かせる「春」の到来を願っていた。(田中 健人)

 《10個手に入れたゴールデングラブは残り1個に》新庄監督は現役時代、父・英敏さんの「商売道具を大事にしろ」との教えを忠実に守り、阪神時代の最初の背番号「63」が入ったグラブを、修理を繰り返しながら使い続けた。ある選手に踏まれ破れた時には、怒りを爆発させて相手につかみかかったほど。06年に日本一を達成した翌日の引退会見でも、このグラブを手に登場した。

 一方、練習用としてはデニム生地、ワニ革、ふさふさの牛の毛皮など、常識にとらわれないセンスでさまざまなグラブを使用し、注目を集めた。

 また、ゴールデングラブ賞の受賞時に贈られた金色のグラブは引退後の始球式でたびたび披露した。投球後に観客席に投げ入れるファンサービスや(08年)、主催チームのBC信濃にプレゼント(今年4月)したことも。手に入れた10個のうち「もう1個しか持っていない」と明かしている。

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