ソフトB・和田の“先発の美学” 球団最年長完投星狙う 新加入・又吉にも「頼らないように」

[ 2021年12月20日 05:30 ]

16年4月20日、ロッテ戦で完封勝利を挙げ、内川(右)とハイタッチするソフトバンク・和田

 9回の感触はまだ左手に残っている。ソフトバンク・和田毅投手(40)が来季、球団最年長完投勝利を目標に掲げた。

 「若い時から先発で投げている以上、9回を投げ切ることを目標にやってきた」。これこそ和田の美学。通算完投数は現役左腕最多の38回を誇る。球団記録は15年のスタンリッジが記録した36歳4カ月。来年41歳を迎える左腕は大幅に記録を更新する可能性を秘める。

 今季18試合に登板し、最長は6月6日阪神戦の7回だった。自身最後の完投勝利は16年4月20日のロッテ戦。実に6年ぶりの達成を見据えた。さらに「完全試合は大きな夢でもある」と続けた。偉業への意欲を持ち続けている。

 先発を貫いてきたプライドもある。チームは今オフ、中日から国内フリーエージェント(FA)権を行使した又吉を獲得。頼もしいリリーフが加わったが「最初から頼ることを前提に投げたくない」。きっぱりと言った。それでも「兄貴分」として、「やりやすい環境をしっかりつくる。年齢は僕が一番上なので壁はすぐ消していきたい」。自身は12年からメジャーに挑戦。新たな環境に身を置く不安を肌で経験しただけに、歓迎ムードを準備する。

 1月の自主トレは笠谷、大竹耕、早大の後輩にあたる楽天・早川ら総勢6人の左腕で技を磨き合う。「どんな感じ、考えで投げるのか。若い子たちに聞くことは勉強になるので吸収できれば」。練習量は昨年と同様で走り込みも欠かさない。「どこまで体が耐えられるかは分からないけど、1月が楽しみ」と妥協を許さない和田。描くのはマウンドで迎える歓喜の瞬間だけだ。(福井 亮太)

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2021年12月20日のニュース