広島・栗林“セーブ失敗しないので” 大魔神&球児超えのすごい記録!日本人初「BS」なしで35S以上

[ 2021年12月20日 05:30 ]

新人最多タイとなる37セーブの活躍を見せた広島・栗林

 【データで振り返る21年12球団記録レビュー 7】指揮官の決断が間違っていなかったことを、広島の栗林は圧倒的な数字で証明した。佐々岡監督は春季キャンプ終盤にドラフト1位右腕を「抑え」で起用すると話していた。

 デビューから22試合連続無失点は、19年甲斐野(ソ)の13試合を抜く2リーグ制後の新人最長記録。歴代2位に並ぶ20試合連続セーブを含む37Sで、15年山崎康(D)の新人最多に並んだ。特に本拠地マツダスタジアムでは27試合で無失点だった。

 特筆すべき点はセーブ失敗が一度もないこと。メジャーで採用されている指標にブロウンセーブ(BS)がある。セーブ機会に登板し、自身の登板中に同点とされるか逆転を許した場合に記録され、前の投手が残した走者が自身の登板中に生還してリードを保てなかった場合も記録される。セーブ採用の74年以降、35S以上は33人(54度)いるが、BSなしは10年林昌勇(イムチャンヨン)(ヤ=35S、防御率1・46)以来2人目で日本人では初。イニングまたぎの回数に差があるとはいえ、佐々木主浩(横浜)や藤川球児(神)もなし得なかった快挙だ。なお、唯一の敗戦はシーズン初失点を喫した6月13日オリックス戦。同点からの登板でセーブ機会ではなかった。

 防御率0点台&35Sは08年藤川以来5人目(6度目)。奪三振率13・93は歴代の名クローザーと比べて遜色ない。東京五輪で全5試合に登板し、2勝3Sで金メダルに貢献したことも記憶に新しい。

 米倉涼子が「私、失敗しないので」と決めぜりふを放つドラマは「ドクターX」。セーブを失敗しない広島の「ドクターK」は、来季も最終回のマウンドに立ちはだかる。(記録担当・石丸 泰士)

続きを表示

2021年12月20日のニュース