オリ1位の椋木「100勝、100セーブ」目標 憧れ由伸に「いろいろ教わりたい」

[ 2021年10月12日 05:30 ]

プロ野球ドラフト会議 ( 2021年10月11日 )

プロでの目標を書いた色紙を手に笑顔を見せる東北福祉大・椋木 (撮影・白鳥 佳樹)
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 天国の祖母に最高の吉報を届けた。オリックスから単独1位指名を受けた東北福祉大・椋木(むくのき)蓮投手(21)は「1位と思っていなかったので、体が熱くなった」と声を震わせた。この日も、9月に亡くなった祖母・木村勝子さんの形見の指輪を通したネックレスを身につけ、運命の瞬間を迎えた。

 「プロになったよと報告したい。プラス、1位でいけたよ、と」

 両親は大学進学で地元・山口県を離れることを反対していたが、遠く離れた仙台の地で最速154キロを誇るまでに成長した。2年生になった19年春に右肩関節唇の炎症を発症し、同6月には手術を受けた。リハビリ中に下半身を徹底的に鍛え上げ、体重は約10キロ増加。自慢の直球はスピードも質も上がった。

 手術直後から取り入れているのが、オリックス・山本が実践しているストレッチだった。「山本投手のしなやかさや柔らかさを見ていた。ブリッジをしている動画も見た。試合前のアップも参考にしている」。憧れの存在が先輩になるとあって、「いろいろ教わりたい」と目を輝かせる。

 今思えば、予兆だったのかもしれない。ドラフト前夜、チームメート3人と選手寮でささやかな決起集会を開いた。メニューはたこ焼き。関西の「ソウルフード」を口にしていたのは何かの縁だろう。首位を走るチームについて「雰囲気の良い凄く明るいチーム」と印象を口にした。

 「先発も中継ぎも両方やりたい。先発なら10勝、中継ぎなら60試合登板を目指したい」。プロの世界で掲げている目標は「100勝、100セーブ」。最速160キロの大台も目指す即戦力右腕は、どこまでもどん欲だ。(重光 晋太郎)

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