阪神・矢野監督 侍ジャパンの次はオレたちの番!「日本の野球から元気を感じてもらうようなプレーを」

[ 2021年8月13日 05:30 ]

ナインの動きを見守る矢野監督(撮影・坂田 高浩)
Photo By スポニチ

 阪神・矢野燿大監督(52)が12日、虎党に16年ぶりの歓喜を届ける決意を示した。13日からリーグ戦が再開。感動を呼んだ東京五輪の余韻が残る中で幕開けする後半戦へ、改めて頂点に挑む覚悟を明かした。

 「侍ジャパンに引き続き、僕たちがまた、日本の野球から元気を感じてもらうような、勇気を感じてもらうような、そういうプレーをしていきたい」

 役者はそろった。侍ジャパンの一員として五輪に出場していた岩崎、梅野、青柳が1軍本隊に再合流。世界一に輝いた「サムライ」たちの復帰はリーグ優勝を狙う猛虎にとって心強い。金メダルの次は、いざ、悲願のペナント奪回へ――。挑戦者として挑む道のりは「球団史上初」をかけた戦いにもなる。

 「苦しい時にどうするか。みんなでチャレンジしてきたところは十二分にある。ゲーム差が何ゲームになった、相手が勝っている、負けている…もちろん気にはなる。一番、大事なことは自分たちの野球を貫き通すってことしかできない。それが、優勝につながると信じています」

 歓喜のゴールへ向かう途上では、何度も大きな壁を乗り越える必要がある。その最大の障壁こそが宿敵だ。目下リーグ2位の巨人とは2ゲーム差。球宴が開始された51年以降、阪神が首位、巨人が2位で後半戦開幕を迎えたシーズンは、3度すべてで巨人に逆転優勝を許してきた。今年こそ、「負の歴史」に終止符を打つ年だ。

 「まだまだチームは成長過程。誰か一人が頑張って勝つチームじゃないんでね。一人一人の成長っていうのが必要だと思います」

 巨大戦力に対し、猛虎は全員野球で立ち向かう。残り59試合。頂点に至るには「伝統の一戦」の勝利がカギを握ることが明白で、直近で優勝した85、03、05年はいずれも宿敵に勝ち越した。再発進を前に「感動、勇気、元気」を与えると誓った矢野阪神。本当の勝負が、ここから始まる。(山本 浩之)

 《負のデータも吹き飛ばす!》阪神は08年以来13年ぶり9度目となる、リーグ首位で球宴明けの後半戦開幕を迎える。過去8度のシーズン結果は優勝3度、2位3度、3位1度、4位1度で優勝確率は37.5%。今回のように首位阪神、2位巨人で後半戦開幕した72年、76年、08年はすべてV逸の2位。しかも3度とも巨人の優勝を許す屈辱の結果となっている。阪神の後半戦首位開幕のケースに限らずとも、1950年の2リーグ制以降、シーズン結果が「優勝・巨人、2位・阪神」(同率2位を含む)の組み合わせは20年まで16度あり、これは「優勝・巨人、2位・中日」と並ぶリーグ最多。一方で阪神はセ・リーグを制した過去5度で「2位・巨人」は1度もなし。実現すれば1リーグ時代の44年以来77年ぶりになる。現在巨人とは2ゲーム差。6月18日時点の最大8ゲーム差からの猛追を許してはいるが、今季こそ宿敵を2位に従えてのリーグ制覇で、負の歴史に終止符を打ちたい。

続きを表示

2021年8月13日のニュース