尾木直樹氏 風の吹かない学校に米子松蔭の生徒が風穴をあけた 大人の事情で子供の夢壊さないで

[ 2021年7月20日 05:45 ]

教育評論家の尾木直樹氏
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 コロナ禍で一度は出場辞退となった米子松蔭が一転、夏の甲子園鳥取大会に出場することになった。教育評論家の「尾木ママ」こと尾木直樹氏(74)が自身の見解を語った。

 結果的には、米子松蔭ナインが試合ができることになって本当に良かった。一度は出場辞退となった際に主将がツイッターでつらい思いをつぶやき、社会に発信した。これが大きかったと思います。学校というのは、なかなか風の吹かない場所。そこで生徒が風穴をあけた。子供たちも「えっ?」と思ったら遠慮なく発信すべき。そうして今回のように、みんなで考えることが大切です。

 出場辞退の経緯を見ると、全てが大人の事情でした。校内で感染者が出たといっても、野球部員でもない。手続きも間に合わなかったとのことですが、お役所仕事で硬直しているのを感じる。そうして子供を犠牲にしてしまうのです。誰が見ても疑問に思い、批判が起こるのも当然でした。

 ただ、全国ではコロナ禍の影響で他にも出場辞退をしている学校があります。コロナ対策の原理原則はあるでしょうが、いかに子供たちの夢を壊さず、同時に感染防止も両立させるか。機械的にルールを適用すると非教育的な結果を招くように思います。いかに教育的な配慮を前面に出せるかが大切。今回の出来事は大きな教訓を残してくれました。

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2021年7月20日のニュース