あかん…阪神3日にも首位陥落してまう 西勇通算100勝目どころか、一挙7失点の大炎上

[ 2021年7月3日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神1-7広島 ( 2021年7月2日    マツダ )

<広・神(8)> 2回、広島打線につかまり苦しい表情の西勇(撮影・大森 寛明)
Photo By スポニチ

 阪神は2日の広島戦に1―7で敗れ、試合中止の2位・巨人とのゲーム差が1・5に肉薄した。先発の西勇輝投手(30)が2回に自己最悪の1イニング7失点し、一気に試合を決められた。3日に阪神が敗れて巨人が勝った場合、勝率で抜かれ「マイナス0・5差」の2位転落。前半戦の正念場を迎えた。

 対広島には抜群の強度を誇った「ダム」が一気に決壊した。悪夢の2回、エース・西勇がまさかの大炎上だ。この回だけで7安打を集められ、自己ワーストの1イニング7失点。結果的にチームの失点はこの回だけながら、深すぎる致命傷だった。

 「きょうはね、調子が出る前にちょっとね。連打になってしまったかな、という感じにはなっている」

 必勝を期して送り出した矢野監督も、苦い表情で振り返るしかなかった。まず、先頭の鈴木誠に特大の左越え先制ソロを被弾。坂倉の左前打の後に2死を奪ったが、そこから通算99勝右腕とは思えぬ展開が待っていた。2死二塁で8番・安部を申告敬遠。序盤ながら万全を期して投手・玉村で確実にアウトを取ることを選択。それが裏目に出た。玉村の完全に詰まらせた打球が投前内野安打に…。不運な形で満塁とされると、本来の粘りを発揮できず、菊池涼から怒とうの4連打で瞬く間に6点を追加された。

 試合前まで広島戦は通算11勝2敗、防御率2・06。お得意様から通算100勝目を狙ったものの、今季最短の4回で降板。2回以外は一人の走者も出さなかっただけに、福原投手コーチも「早いカウントで取りにいったところを狙われたような感じだった」と“魔の2回”を悔やんだ。

 エースでの黒星は、チームにとっても緊急事態だ。試合中止の2位・巨人とのゲーム差は1・5。だが、きょうの試合で阪神が敗れて巨人が勝つと、勝率で逆転される。「マイナス0・5ゲーム差」という珍現象での2位転落の危機を迎えた。打線の調子も上がらない中、矢野監督は改めて投打両面の奮起を期待した。

 「1人ずつが、何とかちょっとでも調子が上がるようにしたい。投手も踏ん張るというか。今までも頑張ってくれているんだけど、両方の兼ね合いがあるから、両方でカバーし合いながらやっていく必要があるかな」

 4月4日から約3カ月間守り続けている首位の座。6月18日には最大8あった2位との差は、思わぬ速さで縮まった。巨人の勢いは強く、自軍は苦境を迎えているのは確か。だが、激流にのみ込まれるわけにはいかない。(山添 晴治)

 ○…阪神は連敗で2位巨人と1.5ゲーム差。4月29日以来64日ぶりの接近だが、この間最大8ゲーム差をつけた6月18日からは14日間。阪神が3勝8敗1分けの間に、巨人9勝1敗で詰め寄られた。
 ○…きょう阪神が負け、巨人が勝った場合、阪神は43勝28敗3分けの勝率.6056。巨人は40勝26敗10分けの勝率.6060となり、阪神は4毛差で巨人を下回り2位転落する。貯金は阪神が1つ多いため、両チームのゲーム差はマイナス0.5となる。これはリーグ順位は勝率で決まり、ゲーム差はあくまで目安のため。試合消化数や、引き分け数の関係でマイナスゲーム差の珍現象が生じることがある。

続きを表示

2021年7月3日のニュース