エンゼルス・大谷 憧れ“花巻東先輩”撃ち マリナーズ・雄星から16号133メートル弾

[ 2021年6月7日 02:30 ]

ア・リーグ   エンゼルス12ー5マリナーズ ( 2021年6月5日    アナハイム )

<エンゼルス・マリナーズ>初回、本塁打を放った大谷(AP)
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 エンゼルスの大谷翔平投手(26)が5日(日本時間6日)、マリナーズ戦で花巻東の先輩左腕・菊池雄星投手(29)と今季初対戦。初回に8試合ぶりの16号ソロを放った。投打同時出場翌日は13打席目で初安打。先発登板で2桁三振を奪った翌日に本塁打を放った選手は、投本間が現在の距離になった1893年以降では、メジャー史上初の快挙となった。

 心を躍らせても、頭は冷静だった。「来た球を打つ。それだけを考えていました」。大谷は菊池との今季初対戦の初回、それも初球のカットボールを叩いた。打球速度は112・5マイル(約181キロ)、飛距離436フィート(約133メートル)。中堅左にある球場名物「ロックパイル」と呼ばれる岩山の麓まで飛ばした。

 大谷は中3時、エース菊池で甲子園春準優勝、夏4強の快進撃に魅せられて花巻東に入学した。高1時の目標設定シートでは目標の選手の欄に「菊池雄星」と書くほど憧れの存在。先輩左腕からの一発は、2年前のメジャー初対戦以来2本目だった。

 3回の2打席目はスライダーで空振り三振。菊池が右膝に打球を受けて5回途中で降板したため対戦については「2打席しか立っていないのでまだ何とも言えないです」とだけ話した。メジャーでは通算9打数4安打と好相性。試合後、菊池は「右膝の打撲」と発表されたことを受け「大事に至らず良かったと思います。また次回の対戦を楽しみにしています」と気遣った。

 前日はリアル二刀流で10奪三振で2勝目。大リーグ公式サイトのサラ・ラングズ記者によれば、2桁三振を奪った選手が、次の試合で本塁打するのは64年のホワイトソックスのG・ペーターズ以来。だがこの試合は登板翌々日で、登板翌日に本塁打するのは史上初だった。8回1死二塁では左腕ミシェビッチの内角カーブをうまくさばき、左翼線適時二塁打。試合前まで投打同時出場翌日は4試合で11打数無安打、打点もなかったが、本塁打を含む今季15度目のマルチ安打で2打点とジンクスを打破した。

 チームは逆転勝利で連勝も、借金4の地区4位と低迷。それでもジョー・マドン監督は「野球が大好きな翔平はストロングで良い状態にある。休まずに元気でプレーできる限り、2番に名前を書くのは気分がいい」と上機嫌だった。(アナハイム・笹田幸嗣通信員)

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