パドレス・ダル「巨大な壁」松坂&岩隈に並んだ日米170勝!両右腕は「18、19歳の時から目標」

[ 2021年6月5日 02:30 ]

ナ・リーグ   パドレス4ー3メッツ ( 2021年6月3日    サンディエゴ )

<パドレス・メッツ>日米通算170勝を挙げたダルビッシュ(AP)
Photo By AP

 パドレスのダルビッシュ有投手(34)が3日(日本時間4日)、サンディエゴで行われたメッツ戦に先発し、5回1/3を4安打2失点で今季6勝目。松坂大輔(現西武)、岩隈久志に並ぶ日本選手歴代5位タイの日米通算170勝に到達した。打っても2安打で自身を援護。チームの連敗も4で止め、エースとしての役目を果たした。

 あまり感慨に浸ることがないダルビッシュが、少しだけ余韻に浸った。日本ハムで7年間プレーし、海を渡って今年が10年目。「最近は通算勝利数を気にしていた」という右腕が節目の白星について素直な思いを語った。

 「ここで(勝てば)追いつくのは分かっていた。2人とも自分が18、19歳の時から目標で、勝たないといけない巨大な壁だった」

 「2人」とは松坂と岩隈。34歳になっても進化を続け、現在も全盛期の松坂のような剛球と岩隈のような緩急自在の投球術を併せ持つ。この日も最速97マイル(約156キロ)のツーシームやカットボールを駆使して6回途中2失点、5奪三振。世界一連覇を決めた09年のWBCで、先発3本柱を形成した松坂と岩隈に並ぶ日米通算で歴代5位の170勝に達し「道は違えど同じ勝利の数を味わい、勝利の後の夜も同じ数だけ味わった。そういう意味で感慨深い」と語った。

 バットでも魅せた。2回にこの日チーム最速の打球速度107・3マイル(約173キロ)で左前打。4回1死一塁ではバスターでの右翼線二塁打を放った。ラリー・ロスチャイルド投手コーチの「君は打てないんじゃなくて、打てないと思っているだけだ」との指摘で前向きな意識が芽生えたという。「意識改革」で2年ぶり2度目のマルチ安打を記録した。

 走塁などで足が張り、腰に硬さが生じた影響で90球で降板。次回登板に影響はないが、改めて二刀流で活躍するエンゼルス・大谷について「本当に大変過ぎるだろうと思う。先発で投球しながら彼は2番打者で次の塁を狙う走塁もする。(投打)どちらも本当に好きじゃないとできない」と敬意を表した。

 自身5連勝となる6勝目も、ただの通過点。エースとして君臨する背番号11は、まだまだ勝ち続ける。

 ▽2009年のWBCのダルビッシュ 松坂、岩隈と先発3本柱で第1R・中国戦は開幕投手で4イニングを無失点に抑え、中3日で韓国戦に救援登板し1回無失点。だが第2R・韓国戦は5回3失点で負け投手となり、決勝Rは「スーパーリリーフ」に配置転換。準決勝・米国戦は1イニングを1安打無失点。決勝の韓国戦は1点リードの9回に同点打を浴びるもイチローの中前2点打で勝ち越した延長10回は無失点で胴上げ投手となった。

 ≪米77勝は日本投手歴代4位≫ダルビッシュはメジャー通算77勝で日本投手歴代4位。1位は123勝の野茂英雄(ドジャースなど)で、79勝の黒田博樹(同)、78勝の田中将大(ヤンキース、現楽天)と続く。順調なら今季中に田中、黒田を超え単独2位に浮上することが確実視される。

続きを表示

2021年6月5日のニュース