広島・菊池涼 体調不良隠し、魂のV犠飛&今季5度目の猛打賞 「絶対にやってやろうと」

[ 2021年4月26日 05:30 ]

セ・リーグ   広島9-8巨人 ( 2021年4月25日    東京D )

<巨・広(6)>9回1死三塁、菊池涼(右から2人目)は勝ち越し犠飛を放ち、生還した中村奨とグータッチを交わす (撮影・森沢裕)
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 広島は25日の巨人戦に9―8で辛くも勝った。終盤8回に救援陣が6点差を追い付かれたものの、9回に菊池涼介内野手(31)が乱打戦にケリをつける決勝の中犠飛。ドラフト1位・栗林良吏投手(24)は9回を3連続Kで締め、リーグトップを並走する8セーブ目を挙げた。チームはカード勝ち越しを決め、勝率5割に戻した。

 気負いはない。打席での柔和な表情が「ナチュラルに入っていけた」心の色を示していた。8―8の9回1死三塁で、菊池涼が決勝の中犠飛。1ボールから巨人・中川が投じた真ん中高めスライダーを捉え、三走・中村奨を生還させた。

 「奨成がよく打ったし、緊張する場面で三好がしっかりバントを決めてくれた。たまたま僕が犠飛を打ったけど、若い力のおかげ」

 好機を演出した2人を称える31歳。中でも先頭の代打・中村奨の右越え二塁打は価値がある。直前の8回に6点差を追い付かれる悪夢。流れが変わっていただけに21歳は「食らいついた。チャンスメークできて良かった」と笑顔を爆発させた。

 それでも菊池涼の貢献度は特筆ものだ。今季5度目の3安打猛打賞。初回の先頭で左越え二塁打を放って先制点を呼ぶと、4回2死二塁では左前へ。小園が本塁で憤死するも赤ヘル党は沸いた。6回にも1死一塁から左翼線安打でつなぎ5得点のビッグイニングを演出だ。

 「今日は気持ちを入れ替え、絶対にやってやろうと思っていた」

 カード勝ち越しを決め、勝率5割に戻した巨人3連戦。一方で菊池涼は疲労からか体調面で不調を覚え、前日24日まで今季初めて2戦無安打に終わっていた。そこで、しかし、奮い立つ。初回から自然体で躍動し、得点シーンに複数回絡んだ活躍はハートの力。主力の値打ちだった。

 快勝が一転して乱打戦になったものの、打線はつながり今季最多の16安打9得点。勝ち切った佐々岡監督は「こういう試合にしたくなかったけど、9回に奨成がよく打ったし、キクもしっかりと…ね」と安どの息をついた。

 「ボールを見た方がいいんじゃないか…とか、最初はいろんなことを考えたけど、いま結果が出ているなら、ありのままやるのがいいんじゃないか…と思ってやっています」

 1番打者として16試合を消化し、リーグトップの打率・360をキープ。勝機演出へ、菊池涼が今日も鮮やかにゲームを動かす。  (江尾 卓也)

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