巨人・丸の“一手” 大野雄詰める適時打 球界屈指の将棋通、配球読み天敵攻略の糸口見せた!

[ 2021年3月17日 05:30 ]

オープン戦   巨人1-6中日 ( 2021年3月16日    バンテリンドームナゴヤ )

<オープン戦 中・巨>4回1死二塁、丸は右前に適時打を放つ(撮影・奥 調)
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 巨人の丸は将棋好きで知られ「相手の考えていることを読むというのが野球にも生きれば」と言う。沖縄キャンプの休養日には「竜王」と敬意を表する炭谷と一進一退の攻防を繰り広げ、粘り勝ち。約50分間、素人とは思えない対局を見せた。この日の打席でも、その熱闘で見せた粘りを存分に披露した。

 「甘く入ってきた球をしっかり打つことができた。追い込まれながらも、何とか粘れました」。一手一手変わる状況に対応していく将棋と同じように、4回の右前適時打も昨季の沢村賞左腕・大野雄の配球を読み切ったからこそ生まれた。

 2回の第1打席は2球で追い込まれたが、6球目の決め球フォークをファウル。8球目のツーシームも見極め、四球を選んだ。4回の第2打席も2球で追い込まれたが粘る。そして甘く入った6球目の直球を逃さず右前へ。厳しい球はカットし、ボール球の誘いには乗らない。一手ずつ丁寧に指し、詰めた。計14球の攻防に勝った。

 大野雄には昨季2勝2敗ながら防御率は1・32、34回でわずか6点しか奪えず、丸は15打数1安打で打率・067と最も苦しめられた。しかも相手は「打倒・巨人」を掲げて開幕投手は務めず、開幕2カード目初戦の30日巨人戦に先発予定だ。その前哨戦で見せたしつこい攻め。原監督も「だいぶ(良い)形を出してきた」と評価した。

 同じく12打数2安打、打率・167と抑え込まれた岡本和も4回に左翼線二塁打で丸の適時打を演出。「オカマル」がセ・リーグ3連覇を狙うシーズンに向け、最大の難敵に大きな一手を打った。(小野寺 大)

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