剛球復活任せろ! 手術明けの広島・中崎が「2.1」から全開宣言

[ 2021年1月15日 05:30 ]

キャンプからのアピールを誓う広島・中崎    

 広島・中崎翔太投手(28)が14日、廿日市市内の大野練習場で自主練習し、春季キャンプ初日となる2月1日からの剛球披露を宣言した。昨年9月に受けた「右後上腕回旋動脈瘤(りゅう)切除術」の経過は順調で、12月中にブルペンでの投球練習を再開済み。キャンプ序盤から全開で復活に向けたアピールを誓った。

 手術から5カ月足らずで剛球を投げれば、背水の思いは十分に伝わるだろう。「目標はキャンプインから全力で投げること」。中崎はキャンプ初日から周囲を驚かせる全開投球を思い描いていた。

 昨年9月下旬に右上腕部を手術。12月末に捕手を立たせてのブルペン投球を済ませるなど経過は極めて順調だ。大野練習場での自主トレでは、練習相手の都合でキャッチボールからネットスローに切り替えたものの、「徐々に強度も上がってきている」と連日の寒さも問題ない。近日中にも年明け後初のブルペン入りを予定し、「2・1」に向けた最終仕上げに入った。

 16年から3年連続の胴上げ投手は、キャンプ初日からアピールが必要な立場に変わった。19年に守護神を剥奪され、昨季は登板6試合のみ。手術を決断し、不調の原因だった右肩の不安を払しょくしたことで復活への道筋が見えた。「明らかに去年と腕の振り、フォロースルー、トップの位置などが違う」。痛みを避けるための試行錯誤ではなく、納得のいく投球フォームを追求できるようになった。

 「違和感のない正しい軌道で腕が通るようになった。(右肩の)不具合を取り除けたことで、投げているときの不安感だったり気持ちの面でもスッキリできていると思う」

 自主練習は午前10時ごろにスタート。選手が帰途に就き始めた午後2時から約30メートルの往復ダッシュを1時間も実施する猛練習で追い込んだ。右膝手術のリハビリ明けで十分に走り込めなかった昨春とは、仕上がりが異なる。「膝(の手術)をやる前は普通にやっていたことなので特別なことではないけど、しっかりとした練習はできている」。春季キャンプの1、2軍メンバーの振り分けは未定ながら、アピールに向けた準備は万全だ。

 「去年、一昨年とふがいない成績だった。結果にこだわって、ポジションをつかみたい」。満足に投げて走ることのできる日々。復活への悲壮な決意は、チーム随一の練習量にも表れていた。(河合 洋介)

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