阪神・青柳は「変則投法」の鑑になる 横手下手投げに逆風の風潮に「小、中、高校生のお手本になりたい」

[ 2021年1月15日 05:30 ]

本格派との二刀流!?いえいえ、キャッチボールは青柳も上から投げます(代表撮影)
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 阪神・青柳晃洋投手(27)が14日、変則投法の絶滅阻止を誓った。鳴尾浜球場で今年初めてブルペン入りし、直球のみで30球の投球練習。今春キャンプへ向けて調整段階を進め、独特の投球フォームが子供たちからマネされる未来図を思い描いた。

 「小、中、高校生のお手本にはなりたい。マネして出てくるような選手がいっぱい増えたらうれしい。少年野球などでは横手投げ、下手投げは良くないと言われる人が多く、圧倒的に少ない。“そうじゃないんだよ”ということを教えてあげたい」

 小学6年からサイドスローとアンダースローの中間にあたる「クオータースロー」を貫いてきた。少数派を自覚しつつ、ヤクルト・山田ら球界を代表する強打者から嫌がられる長所を熟知しているからこそ絶滅させたくない。少年時代にはフォームを手本とする人が少なく、苦労した経験がある。周囲にばかにされることがあっても、ずっと誇りを持ってきた。

 アンダースローのソフトバンク・高橋礼も「子供たちに夢を与えていきたい」と発信するなど同志もいる。魅力を広く伝え、普及させる最良の手段は結果を残すことだ。

 「3年やって、やっと一人前というか、そこは目標にします」
 先発陣の一角に定着した19年は9勝(9敗)。昨季も7勝(9敗)を挙げ、年間通して先発ローテーションを守った。さらなる飛躍を期し、まずは「2桁勝てるように」と初の10勝が目安になる。もちろん通過点にすぎず、「13勝」こそが2年前から掲げる目標だ。白星量産で変則投法の価値を上げられるか。大いなる野望を胸に6年目の挑戦が始まる。 (長谷川 凡記)

 【プロ野球の主な変則投法】

 ★山田久志サブマリン投法 潜水艦のようにボールが浮上する下手投げ。同じ使い手の渡辺俊介は「世界一低い位置から投げる」と言われ、人さし指や中指を地面でこすることも。

 ★村田兆治マサカリ投法 右腕をふくらはぎの後ろに隠れるように降ろし、そこからマサカリを振り下ろすように投げる。

 ★野茂英雄トルネード投法 振りかぶった時に上半身を大きくひねり、背中を打者に見せるようなフォームが竜巻を思わせた。

 ★山内泰幸UFO投法 セットポジションからの始動時に右肘を高く上げる姿が、ピンクレディーのヒット曲「UFO」の振り付けに似ていたため。

 ★小川泰弘ライアン投法 左足を胸に付くぐらい高く振り上げる。メジャーで活躍したノーラン・ライアンの投げ方に由来。

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