巨人・山口オーナー セもDH導入を「来季だけ、2カ月だけでも」選手守るため、長嶋氏も賛成

[ 2020年12月23日 05:31 ]

巨人・山口オーナー インタビュー(上)

選手負担軽減のためのセ・リーグでの来季暫定的なDH制導入について語る巨人・山口寿一オーナー

 巨人の山口寿一オーナー(63)が取材に応じ、14日のセ・リーグ理事会で提案したセ・リーグへのDH制導入について真意を説いた。コロナ下での選手負担軽減を目的とした来季限りの暫定措置で、恒久的な導入とは別と強調。試合数が増え日程も変則的な来季は今季よりも困難なものになると予想し、選手を守るために必要と訴えた。実施時期や方法などは柔軟に変えていく姿勢を示し、他のセ5球団に建設的な議論を求めた。(聞き手・後藤 茂樹)

 ――来季、暫定的なDH制導入を提案した一番の狙いは?
 「来季のプロ野球は今季以上に大変になるのではないかと心配しています。恐らくこのコロナ禍はまだ収束しない。コロナの影響を引きずった状態でキャンプに入り、公式戦は23試合増えて143試合。CSも行う。東京五輪があり変則的な日程になる。今季以上に選手は調整に苦労するのではとみています」

 ――選手の負担軽減策が必要になると?
 「今年と全く同じままのコロナ特例で、本当に乗り切れるのか。パ・リーグは主力選手をDHでローテーションで回している。打ってよし、守ってよしの選手を時々DHで先発させ、守備の負担から解放しながら起用しています。DHは投手を守るだけでなく、野手を守ることにも役立っている」

 ――山口オーナー名で12月14日のセ・リーグ理事会に提出されました。
 「原監督の意見を聞いた上で、12月8日の定時取締役会で議論しました。専務取締役の長嶋茂雄さんは欠席でしたが、意見をうかがいました。長嶋さんもDH制の暫定的な導入に賛成されていたので、巨人軍の意見を集約したものとして提出した」

 ――14日の理事会では議論が深まらず、まともに取り合わない球団もあったと聞く。
 「将来にわたる導入是非論と切り離し、来季に限るコロナ対策、それも故障防止という観点からの提案、と強調するところが欠けていたと思います。書面には書いたが、言葉で補うべきだったと悔やまされています。将来導入することに反対なので、何が何でも嫌だとなってしまっている」

 ――DH以外にも負担軽減、故障防止の観点で考えているのか?
 「パ・リーグのようなDHをシーズン通して導入するのを仮にA案とするなら、期間限定あるいは部分的に導入するのをB案、それからDH以外の何らかの対策をC案として、どれがいいか議論し検討いただけるとありがたい。例えば調整の特に難しい春先の、開幕から2カ月に限り期間限定での導入も考えられるのではないかと」

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