中日・吉見 「最後ぐらいは楽しみたい」笑顔で終わったラスト登板

[ 2020年11月7日 05:30 ]

セ・リーグ   中日4―5ヤクルト ( 2020年11月6日    ナゴヤD )

<中・ヤ>ラスト登板する吉見(撮影・椎名 航)
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 【記者フリートーク】ファンでなくとも、見たい人は多かったはずだ。ドラゴンズ黄金期に吉見と左右二枚看板としてチームを支えたチェン・ウェインが9月、ロッテに入団しNPBに復帰した。「知っている人との投げ合いを僕はすごく力に変えらえる。その時が仮に来れば、楽しみが勝つんじゃないかな」。敵、味方として盟友と同じマウンドで投げ合う姿を想像した吉見は声を弾ませていた。

 だが、チェンとの投げ合いは実現しないまま、ユニホームを脱ぐ。9月以降は2軍で好投しても、1軍から声がかからず葛藤の日々が続き、引退という決断を下した。

 「やっぱり野球は楽しめないことが多いけど人生は100年、生きれば万歳。その100年をどれだけ楽しめるか」。好きで始めた野球は職業となり、やがて、エースとして勝利への重責を背負うと、楽しいことばかりではなくなった。けがに苦しみ、勝てない辛さも味わった。「最後ぐらいは楽しみたい」と引退マウンドに上がった吉見。ラスト登板は笑顔で終わった。(中日担当・徳原 麗奈)

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2020年11月7日のニュース