オリックス・ドラ1宮城 朗希&奥川お先! 5回3失点で高卒新人一番星も「切り替えて次のシーズン」

[ 2020年11月7日 05:30 ]

パ・リーグ   オリックス4-3日本ハム ( 2020年11月6日    京セラD )

<オ・日>決勝打のドラ2・紅林と初勝利のウイニングボールを手に笑顔のドラ1・宮城(撮影・井垣 忠夫)
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 9回のマスクを被った山崎勝から記念球を受け取ると、オリックス・宮城はマスクの下で笑顔を浮かべた。5回3失点(自責2)。3度目の正直でつかんだプロ初勝利。高卒新人一番乗りの白星に喜びをかみしめ、すぐ表情を引き締めた。

 「うれしいのと悔しいのとあります。初回と点を取ってもらった後の5回。そういうところを抑えないといけないと思いました」

 今季最多1万2300人が詰めかけた本拠地最終戦。36球を費やした初回、2四球と失策が絡み2点を失ったが、高い修正能力を発揮した。インステップ投法から最速147キロの直球に、スライダー、チェンジアップを織り交ぜて3回2死一、二塁の清宮から4者連続三振。プレート位置を左打者は三塁側、右打者は一塁寄りに踏み換えて巧みに投球。酒井育成統括コーチの助言で取り入れた技術も駆使し、新人離れした能力を見せつけた。

 同期にはロッテ・佐々木朗、ヤクルト・奥川らが注目を集める中で“最速1勝”。中嶋監督代行からも「(内容は)今までの中で一番悪かったと思います。それでも抑えて来られるというのは素晴らしい。伸びしろというか。1年目で、ラスト登板で、勝ち星をつけて本当に良かったです」と称えられた。

 交通事故で左手が不自由になった父・享さんの分まで、その左腕を懸命に振って手にしたウイニングボール。「(ボールは)両親に渡したいと思います」と笑った。「勝利したことを追っていても意味がない。切り替えて次のシーズンで投げられるように」。真剣勝負の舞台に立ち、来季さらなる飛躍を見据えた。(湯澤 涼)

 ◆宮城 大弥(みやぎ・ひろや)2001年(平13)8月25日生まれ、沖縄県宜野湾市出身の19歳。4歳から野球を始め、嘉数中では「宜野湾ポニーズ」に所属し、3年時にU15日本代表入り。興南では1、2年夏に甲子園出場。3年時はエースを務め、U18日本代表としてW杯出場。1メートル71、83キロ。左投げ左打ち。猫好き。

 ○…宮城(オ)がプロ初勝利。オリックスの高卒新人勝利は17年の山本(1勝)以来。左腕では阪急時代の88年清原(1勝)以来32年ぶりとなった。また、この日は高卒同期の紅林が5回にV打となる左安を放ち1打点をマーク。高卒新人が勝った試合で、味方の高卒新人が打点を記録したのは99年9月1日日本ハム戦で西武の松坂が勝ち、赤田が1打点を挙げて以来ドラフト制以降2度目のケース。赤田の打点は決勝点ではなく、勝利投手と勝利打点は宮城と紅林のコンビが初めてだ。

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