オリックス 西村監督、事実上の解任…コーチ陣大幅入れ替え、福良GM「まだ巻き返せるという判断」

[ 2020年8月21日 05:30 ]

パ・リーグ   オリックス4-6西武 ( 2020年8月20日    京セラドーム )

<オ・西(9)>6回無死満塁、空振り三振に倒れ、ベンチでヘルメットを叩きつけて悔しがるジョーンズ。右は西村監督(撮影・北條 貴史)
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 オリックスは20日、西村徳文監督(60)の辞任を発表した。中嶋聡2軍監督(51)が監督代行に就き、21日の西武戦から指揮を執る。20日の西武戦に競り負けて4度目の4連敗。16勝33敗4分けとなり、21日にも自力優勝の可能性が消滅する危機は続く。コーチ陣も大幅に入れ替え、新体制での巻き返しへ打って出た。

 4連敗を喫した直後だった。西村監督は湊通夫球団社長、森川秀樹球団本部長と3人で会談して辞任を決断し、球団を通じて「選手たちの成長には手応えを感じていたが、それを結果につなげることができなかったのは指揮官である私の責任」と話した。

 京セラドーム内で報道陣に対応した福良淳一GMは「まだまだ巻き返しができるという判断で、こういう決断になりました。辞任の要請です。本人が判断を仰いだということ」と説明。成績不振を理由とした事実上の解任だったとみられる。

 5年連続Bクラス、3年ぶりの最下位に転落した昨季からの逆襲を誓い、背水覚悟で臨んだ就任2年目。幾度となくチームを鼓舞し、グラウンド内外でナインと積極的に対話してコミュニケーションを図ってきた。

 誤算は起爆剤として獲得したメジャー通算282本塁打のジョーンズの不振だ。49試合で打率・235、5本塁打、23打点。超大物の触れ込みからは物足りなかった。リーグワーストを更新する開幕戦9連敗、6月23日からのロッテとの同一カード6連戦で「史上初の6タテ」を食らうなど悪循環を断ち切れず、ロッテ監督1年目の10年に史上初となるリーグ3位からCS、日本シリーズを制覇した下克上の再現はかなわなかった。

 後任は中嶋聡2軍監督が代行として務める。「やれることはまだまだあります。このままで終わるチームではありません」と球団を通じて決意表明した。あわせて大幅な配置転換も発表。2軍の辻竜太郎打撃コーチ、斎藤俊雄バッテリーコーチが昇格し、高山郁夫ヘッドコーチ兼投手総合コーチ、田口壮1軍野手総合兼打撃コーチは留任する。残り67試合。96年を最後に12球団で最もリーグ優勝から遠ざかるチームの立て直しへ、大なたを振るった。(湯澤 涼)

 ◆西村 徳文(にしむら・のりふみ)1960年(昭35)1月9日生まれ、宮崎県出身の60歳。福島高(宮崎)、鹿児島鉄道管理局を経て81年ドラフト5位でロッテ入団。86年から4年連続盗塁王。90年に首位打者。引退翌年の98年からロッテでコーチを務め、監督就任1年目の10年にリーグ3位から日本シリーズ制覇。12年に退任し、16年からオリックスのヘッドコーチを務め、19年に監督に就任した。

 ◆中嶋 聡(なかじま・さとし)1969年(昭44)3月27日、秋田県出身の51歳。秋田・鷹巣農林から86年ドラフト3位で阪急に入団。その後、西武、横浜(現DeNA)を経て04年に日本ハムに移籍。07年からバッテリーコーチを兼任し、15年限りで現役引退。その後、日本ハムのGM特別補佐、バッテリー兼作戦コーチを経て、19年にオリックスの2軍監督に就任した。現役時代の通算成績は1549試合で804安打、55本塁打、349打点。1メートル82、84キロ。右投げ右打ち。

 【近年のオリックス監督の途中交代】
 ▽03年石毛→レオン 成績不振に加え、球団フロントとも対立。4月23日、開幕からわずか20試合で異例の解任。
 ▽08年コリンズ→大石 5月21日、成績不振のため3年契約の2年目途中で電撃辞任。大石監督代行は8月2日に監督昇格。
 ▽12年岡田→森脇 千葉からの移動日試合となった9月25日、球団からの通告で“強制休養”。森脇監督代行で臨んだソフトバンク戦に敗れ、球団ワーストの12連敗。
 ▽15年森脇→福良 オフに大型補強も、5月31日に自力優勝の可能性が消滅。6月2日に会見で休養を発表し、同日夜の巨人戦から福良ヘッドが代行。

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