阪神・ボーア 爆勝呼んだ3打席連続適時打 オープンスタンスに変身、早速効果

[ 2020年8月16日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神10―2広島 ( 2020年8月15日    京セラD )

3回2死一、二塁、ボーアは右前適時打を放ちガッツポーズ (撮影・後藤 大輝)
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 阪神は15日の広島戦に10対2で大勝した。前日に零敗したうっぷんを晴らすように2桁得点を叩き出した打線をけん引したのは、ジャスティン・ボーア内野手(32)。5回までに来日初となる3打席連続タイムリーを記録しチームに勢いをもたらした。約1カ月ぶりの3安打で復調をアピール。この日から取り入れたオープンスタンスで快音を連発し、再上昇を予感させた。

 アーチストがこの夜ばかりは“ヒットマン”と化して次々に外野でボールを弾ませた。ボーアがチャンスで3度の快音。前夜の零敗を踏まえ、会心の3打点を充実の表情で振り返った。

 「今日はタイガースが勝つ日だと思っていた。先制点を取れて、みんな打点を稼げて良かったです」

 第1打席で弾みをつけた。初回、サンズの投手強襲の二塁打で先制した後、なおも作った2死二塁で大瀬良の外角スライダーを右手で拾うように中前打。貴重な2点目を叩き出し勢いに乗ると、3回2死一、二塁でも内角直球にバットを折られながらも、右前に弾き返した。パワーで押し返した一打に「バットが僕のために死んでくれてヒットが打てて…」と“相棒”への配慮も忘れなかった。

 2度あることは…。締めくくりは5回1死一、二塁で迎えた第3打席。139キロのシュートを捉えて一、二塁間を破り、来日初となる3打席連続タイムリーを記録し、ちょうど1カ月前となる7月15日のヤクルト戦以来となる1試合3安打で中軸の仕事を果たした。

 「今日はバッティング練習からフォームを変えて練習していたけど、早速、結果が出て良かったよ」

 打席での変化が、目覚めのきっかけになった。両足を平行に揃えるスクエアスタンスだった構えを右足をやや引いたオープンスタンスに変更。マーリンズ、エンゼルス時代も時折、取り入れており「動きが大きすぎてムダが多かった。ちょっと動きを簡素化してシンプルにしたんだ」と明かした。

 「同じ事をして結果が出ていない以上は何かを変えないと。過去、何回もやってきたことはある」。直近3試合は11打数2安打で、前日も無安打に終わったことで「今かなと思って」と決断した。メジャーでもまれてきた経験値を生かしたマイナーチェンジで、復調への手応えも深めた。

 矢野監督も再上昇を予感させる固め打ちを喜んだ。「今日は本当にいいタイムリーが出た。(初回は)1点じゃどうしても流れが来にくい。そういうところでもう1本出て、3本打てたのは何か変えるきっかけになってもらいたい」

 待たれるのは7月28日以来、66打席出ていない本塁打。夏にふさわしい“花火”の導火線には着火したはず。豪快に描く放物線が完全復活の証となる。(遠藤 礼)

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