日本ハム・栗山監督 通算600勝!育成信念貫き続け就任9年目の大台 大沢親分の球団記録あと31

[ 2020年8月16日 05:30 ]

パ・リーグ   日本ハム9―0ロッテ ( 2020年8月15日    ZOZOマリン )

<ロ・日>監督通算600勝を達成した栗山監督は記念ボードを掲げる(撮影・篠原岳夫)
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 日本ハムは15日、ロッテ戦で大勝し、栗山英樹監督(59)が就任9年目で通算600勝を飾った。12年の監督就任以来、4番として我慢の起用を続けた中田翔内野手(31)が4回にリーグトップの16号2ラン。エースとして期待を続けた有原航平投手(28)も7回無失点で2勝目と投打の軸が活躍し、「親分」として親しまれた大沢啓二氏が持つ球団記録の監督通算勝利数にも、あと「31」に迫った。

 気遣いの人らしかった。栗山監督は三塁側ベンチ前で600勝の記念ボードを掲げ、ベンチ内のナインや敵地ファンからの拍手に照れくさそうに応えた。

 「選手が暑いのに待っていてくれた。暑くて早く帰りたいのにさ。過去の選手も含めて縁があって最高の選手たちに出会えて、600回、一緒に喜べたことは誇り」

 節目の勝利を演出したのは投打の柱だった。中田が4回の2ランを含む2安打3打点。投げては今季開幕投手に指名するも5敗と苦しんでいた有原が7回無失点。「(不振でも)何も言わないで待ってあげた方がいいと思った」と栗山監督。自身の節目の勝利より、信じて待ったエースの復活勝利を喜んだ。

 監督業は「批判されるもの」という考えがある。周囲から批判を受けようと、選手育成の信念は揺るがない。「そう簡単に人は育たない。いろんな意見があって、選手もチームの人たちも思っていると思う。そこに感情は入っていない」。「俺は3冠王を獲れると思っている」と尻を叩き続けてきた中田は現在、本塁打、打点でリーグトップに立つ。

 今春キャンプ。監督室の黒板に「大善とは非情なり、小善とは大悪なり」と記した。厳しく選手に接すれば非情と思われるかもしれないが、数年後には能力が開花するきっかけとなるかもしれない。一方で優しさが、実は選手の成長を妨げることになっているかもしれない。「今は伝わらなくても、嫌な思いさせても何とかしてあげなきゃいけない」。選手の成長を願い、私心を捨て去って向き合ってきた。

 連敗を2で止めた試合後の祝勝会。乾杯の音頭を取った中田は「もっと勝ちをつけられるよう、みんなでこれからもやっていきます」と宣言した。目標はあくまで4年ぶりの日本一。最高の選手たちと白星を積み上げる。(東尾 洋樹)

 ≪国立大出身初 史上24人目≫日本ハムの栗山監督が通算600勝を達成した。プロ野球24人目。大学出身の監督では15人目になるが国立大は栗山監督(東京学芸大)が初めて。初勝利は12年3月30日の西武戦。日本ハムで600勝は大沢啓二監督の631勝に次ぎ2人目で、あと31勝で球団最多記録に並ぶ。また、2人の600勝到達ペースを比べると、大沢監督の1268試合に対し、栗山監督は1196試合と72試合も速い達成になった。なお、この日の勝利投手は有原だが、監督初勝利試合の勝利投手も同じ早大出身の斎藤(完投勝利)だった。

 ▼日本ハム・有原(栗山監督には)1年目からずっと使ってもらっている。(投手主将に任命された今季は)情けない成績で、全然引っ張っていけていない。巻き返せるように頑張りたい。

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