鶴岡東 背番号16・吉田が強打&好返球、左肩脱臼乗り越え躍動「甲子園でプレーできたのは財産」

[ 2020年8月16日 19:37 ]

2020年甲子園交流試合第5日第3試合   鶴岡東5―3日本航空石川 ( 2020年8月16日    甲子園 )

<日本航空石川・鶴岡東>3回2死満塁、鶴岡東・吉田は中前に2点適時打を放ち、雄たけびをあげる(撮影・坂田 高浩)
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 打って、守った。もしかしたら出られなかったかもしれない舞台で、鶴岡東の背番号16、5番・吉田陸人(3年)が強打&好返球で躍動した。

 「甲子園は凄く奇麗でプレーしやすい場所だった。チャンスで打ててうれしかったし、バックホームも今まで一番よかったです」

 打っては、2点を追う3回2死満塁から中前へ同点打。低めの変化球を拾うようにして捉えた一打に「バットの先っぽで“抜けてくれ”と思った」と振り返る。この一打を含む3安打なら、守備でも魅せた。1点リードの6回2死二塁だ。左前打で本塁を狙った二塁走者を、好返球で刺してチームを救った。

 昨秋は背番号7で活躍した吉田。代替え大会の3週間前に左肩を脱臼した。練習試合のとき、雨でぬかるむグラウンドに足を取られて倒れた際に左手をついてしまった。交流試合に間に合うかは微妙な状態だったが、代替え大会で代打アーチを放つなど復調。最後の甲子園は、背番号16ながら「5番・左翼」でのスタメン出場を勝ち取り、チームの勝利に大きく貢献した。

 センバツも夏の甲子園も中止となり、ひたすらバットを振った自粛期間。揺れる心を癒やしたのは、映画「ボヘミアン・ラプソディ」だった。そうして困難を乗り越えてたどり着いた甲子園。何かの因縁か。石川から山形へ野球留学した吉田にとって、この日の対戦相手が故郷の日本航空石川。いろんな思いを胸に全力プレーし、そして勝った。「小学校のときからあこがれだった甲子園でプレーできたのは財産。これからも自信を持って野球人生を続けたい」

 一瞬の夏。吉田は爽やかな笑顔を残し、甲子園を後にした。

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