日本航空石川・井口主将 失策に「申し訳ない」も粘りの2四球、聖地プレーに幸せかみしめる

[ 2020年8月16日 19:18 ]

2020年甲子園交流試合第5日第3試合   日本航空石川3―5鶴岡東 ( 2020年8月16日    甲子園 )

<日本航空石川・鶴岡東>5回2死一塁、鶴岡東・鈴木の打球を落球する日本航空石川の二塁手・井口(撮影・坂田 高浩)
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 親友を支えられなかった後悔と、念願の聖地に立った感動が入り交じった。日本航空石川の主将で「1番二塁」でフル出場した井口太陽(3年)は「足を引っ張ってしまったけど、一緒にこういう舞台に立てたのは本当に幸せ」と聖地での1試合をかみしめた。

 「8番投手」で先発した今秋ドラフト候補のエース右腕・嘉手苅浩太(3年)とは小学校時代、兵庫県姫路市の「広畑コンドルズ」でチームメート。中学時代は違うチームだったが、井口が進路に迷っているとき「もう一度一緒に野球をやろう」と誘ってくれたのが、すでに日本航空石川行きを決めていた嘉手苅だった。高校入学後、1年の時には同部屋。最も長いときで「2カ月ぐらい」口をきかなかったこともあるほど何度もケンカしたというが「浩太は本当に優しいし、かわいいんです。自分がわがままを言っていると思う。いつも最後には許してくれる。信頼し合っている」と、絆はさらに強固になった。試合前には「楽にいこう。150キロ出せよ」と、エースの背中をそっと押した。

 5回に4点目につながる失策を犯し「支えないといけない自分が足を引っ張ってしまって本当に申し訳ない」と悔やんだが、7、9回には四球で出塁し、最後の粘りを見せた。遠い姫路の地からやって来て、投打それぞれの軸としてやり切った高校野球。県の独自大会決勝では星稜を破り、試合後には中村隆監督に続いて井口、嘉手苅が胴上げされた。「もう一緒に野球ができないと考えたら、本当に寂しい」と通路を挟んで隣にいた、取材を受ける剛腕を見やった。

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