広島・誠也は「母の日」に2発の孝行息子 「試合が始まったときに、感謝の思いを伝えたい」

[ 2020年5月10日 05:30 ]

ティー打撃する鈴木誠
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 家族への恩返しが、広島・鈴木誠の原動力だった。「母の日」を前日に控えた9日、母・貴美江さん(54)への感謝が学生時代の記憶を呼び起こした。「家族を楽にしてあげたい気持ちは、中学生ぐらいから持っていた。お父さんもお母さんも、いまは楽しそうに生活を送っているので、これをずっと続けてあげられるように頑張りたい」。愚直に野球と向き合ってきたのは、自分自身のためだけではなかった。

 「母の日」は、17年の巨人戦で決勝2ラン。昨季もDeNA戦で決勝の先制3ランを放ち、お立ち台で「俺やったよ!」と左拳を突き上げた。本拠地開催だった17、19年ともに、登場曲をAIの「ママへ」に変更。今季も感謝を伝える特別な日となるはずだった。

 「恩返しできるのは、こうやって野球で頑張っている姿を見せることだと、ずっと思ってきた。そういう日に野球をする姿を見せられないのは残念ですけど…。試合が始まったときに、感謝の思いを伝えていきたい」

 母に支えられながら、野球に打ち込んだ。「ボコボコにされたって書いてください」と冗談で笑ったのは、迷惑をかけた少年時代を思い出してのことだろう。「先輩が子育てしているのを見て、学生時代に、なんでああいうことをしてしまったのかな…と思うことも増えました。やってしまったことは返せないので、いま頑張って喜ばしてあげたい」。9日のマツダスタジアムでの分離練習では、打撃練習後にロングティーを追加。打撃を追求するのは、家族のためでもある。(河合 洋介)

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2020年5月10日のニュース