開幕すれば…期待がかかる佐々木朗希のプロ野球最速更新 ライバルは誰か

[ 2020年5月10日 14:30 ]

ロッテ・佐々木朗希
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 プロ野球は台湾に続き、韓国も5月5日に開幕した。日本は最短で6月19日の開幕を目指しているが、台湾、韓国のように、新型コロナウイルスの感染拡大がどこまで終息していくかに左右される。11日の12球団代表者会議でも「開幕日」は決められないだろう。それでも7月上旬までには開幕してほしい。

 開幕すれば、今年も注目しているのが、投手の球速だ。投手に最も必要なのは制球力と分かってはいても、「スピードマニア」の血が騒ぐ。少年時代に「昭和の怪物」こと江川卓(巨人)の浮き上がる直球(実際は違うが、子供だったのでそう見えた)に魅了されてからだ。今年は高校歴代最速163キロを誇る「令和の怪物」こと佐々木朗(ロッテ)がプロ入りしたから、なおさら興味をそそられる。本人も「球速だけを求めるわけではないけど、球速も大切な武器だと思うので、そこは大切にしていきたい」と、モチベーションのひとつにしている。

 振り返れば3月下旬に行われた初のフリー打撃登板でいきなり157キロである。コロナ禍で実戦登板は遠のいたが、とんでもないポテンシャルだ。井口監督も170キロの可能性に言及した上で「まずは自身が記録した163キロ超え。そして165キロ。そして169キロを超えて170キロの域に達してほしい」と期待。4年前に日本ハム・大谷(現エンゼルス)が計測した165キロの日本記録を破る日もそう遠くないだろう。

 「160キロ超え」を期待できるのは、怪物ルーキーだけではない。昨季はソフトバンクのエース・千賀が自己最速の161キロを計測した。DeNA・国吉も自己最速の161キロ。日本人投手では、自己最速158キロのオリックス・山本も大台到達が期待できる。4年前に自己最速の160キロを計測した阪神・藤浪も潜在能力は高いが、制球力向上と復活に専念してほしい。

 外国人では、昨季、巨人の守護神デラロサが161キロ、DeNA・エスコバーが160キロを計測している。今季は巨人に加入したブラジル出身のビエイラが自己最速167キロの触れ込み。3月のオープン戦では161キロを叩き出しており、佐々木朗の最大のライバルになるかもしれない。

 最後にここ10年で最も速く見えたのは、楽天時代の田中(現ヤンキース)だ。13年に西武相手にリーグ優勝を決めた伝説の救援登板。最後の打者、浅村(現楽天)から空振り三振を奪ったアウトローへの直球である。153キロだったが、球速以上の威力を感じた。後日「最高のボールだったね」と聞いたときの「心技体全てがそろっていた」と言った言葉が忘れられない。どの投手が、どの1球が最も速く見えるかは、人それぞれだろう。ただし、佐々木朗は本当に速い。(記者コラム・飯塚 荒太)

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2020年5月10日のニュース