阪神・ガンケル 得意の料理と投球は通じる!「小さなことも少しづつ繋げていって大きなことに繋がる」

[ 2020年5月2日 05:30 ]

甲子園で自主練習に臨むガンケル(球団提供)
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 阪神のジョー・ガンケル投手(28)が1日、昨年まで多くの時間を過ごした米国のマイナーリーグに所属する選手の心情を思い、日本でのプレーに決意を強くした。甲子園での自主練習前にオンライン取材に応え、苦境を迎えている同リーグについて心境を明かし、自宅では得意の料理に精を出していることも口にした。

 “仲間たち”の窮状に表情は険しくなった。ガンケルは、多くの時間を過ごしたマイナーリーグの現状について話が及ぶと、言葉に一層、力を込めた。

 「本当に厳しい状況だと思ってる。マイナーリーグの選手たちも、自分たちが(今年)プレーできるかどうか分からないので、本当に心配とか、きつい状況ではあると思う」。

 コロナ禍でマイナーリーグは逆風にさらされることが予想される。米国の報道では、メジャーリーグの7月開催案などが浮上する一方、下部組織のマイナーは、今季のリーグ戦を中止する可能性も浮上。様々な世代の選手が、プレーの場を失うことになりかねず、収入面でも若手は苦境に立たされる。メジャー経験が無く、長年マイナーのマウンドに上がってきた背番号49にとって他人事ではない。

 だからこそ、日本でチャンスを得た現状に「この日本に来てプレーできるチャンスをもらって本当に幸せなこと」と決意。米国へ一時帰国する考えについても「その考えはない。日本でプレーする目的でここに来た」ときっぱり否定し“雑草魂”に火が付いた。

 自宅待機期間では得意の料理で1日3食を自炊し、日本で覚えたカツ丼や焼きそばにも挑戦。クレバーな右腕らしく「料理を作る際、小さなことも少しづつ繋げていって大きなことに繋がるっていうのが、ピッチングでも一見、小さく見えることが大きなことにつながっていく」とクッキングをピッチングに置き換えて“おうち時間”を有効活用した。

 自主練習期間ではすでに複数回ブルペン入りし万全。「シーズンがいつ始まるか決まった時に最高の状態に持っていけるように」と自信を漂わせた。

 「世界中にパンデミックと戦ってる人がいる状況なので、いち早くプレーしたい気持ちもあるが、今は我慢する時かなと」。平坦でない道を歩んできた男は、地に足をつけ時を待つ。(遠藤 礼)  

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2020年5月2日のニュース