元ソフトB川崎 現在の“ムネの内”語った――鹿児島で練習「状態は60点くらい」

[ 2020年4月16日 06:00 ]

元ソフトB川崎宗則 インタビュー(1)

現在の心境を語った川崎(C)11aside
Photo By 提供写真

 元ソフトバンクの川崎宗則内野手(38)がスポニチ本紙の電話インタビューに応じ、現在の心境を語った。鹿児島県内の実家に滞在して限られた中でトレーニングを続けている。18年3月にソフトバンク退団の一因となった自律神経の病気からの回復、昨年在籍した台湾球界へ再挑戦への思い、ソフトバンクの王貞治球団会長(79)に対する感謝の気持ちなど、話は多岐にわたった。(聞き手・川手 達矢)

 ――現在の状況を教えてください。
 「ずっと前から鹿児島の実家にいますよ。近くの広場でトレーニングをしている。今は自粛期間中だから世の中の動きを見ながら、多くて週3回。皆さんがしている散歩が僕の場合はダッシュ。100メートルのダッシュ10本とか。あとは12分間走とかね。たまにキャッチボールもして、バッティングはできないから素振りをやっている。小中時代の同級生に手伝ってもらってます」

 ――現在は無所属。コンディションは?
 「肩の調子が少し悪くて。去年の(台湾で)試合に出ている時に痛めた。11月から12月くらいかな。肩に水がたまってしまって。今もリハビリで鹿児島のクリニックに行ってます。状態は60点くらい。遠投も70メートル近くはできている。もう少し上げていきたい」

 ――外出自粛の中で実家で取り組んでいることは。
 「一番は読書。最近はお母さんが薦めてくれた『ゼロトレーニング』の本を読んでます」

 ――ゼロトレーニング(※注1)は世界的ブームになりましたね。
 「去年、僕が自律神経の病気になったこともあって(母に)薦められた。実家にトレーニングルームがあるから、ほぼ毎日やって。ヨガマットを買ってバランスボールも使っています。去年の夏くらいからかな。これまでヨガはやったことがなかった。昔は体を鍛えるのが得意だったけど、今はこういう方がいい。体にも合っている感じ」

 ――新型コロナウイルスの終息は見えてこない。
 「今はやれることが限られていて苦しい時期。でも、やれることをやるしかない。世界中でたくさんの方が亡くなられたことはとても悲しいけれど気づかされたこともあった」

 ――それは何か。
 「今まで当たり前のように野球をやっていたけど、お客さんが来られなかったら仕事はなくなる。ファンの方たちの存在のありがたさを痛感した。ずっとこの状態が続くことはないと思う。それを信じて、今しかできないことをやり、今しか見えないものがあると思うから、それをしっかりと覚えておきたい」(続く)

 ※注1 1つの呼吸、5つの緩めるストレッチ、1つの引き締め運動の計7つを実践するプログラム。重力を活用して各部位をゼロのポジションに戻す。5分程度で終わり、体形を整えたり不調を改善したりする。

 ▽味全ドラゴンズ 90年に4球団で始まった台湾プロ野球の創設チームの一つ。99年限りで解散も、19年に球団増設が望まれる中で復活が決まり、20年に2軍で試合経験を積み、21年から1軍に参入する予定。

 ◆川崎 宗則(かわさき・むねのり)1981年(昭56)6月3日生まれ、鹿児島県出身の38歳。鹿児島工から99年ドラフト4位でダイエー(現ソフトバンク)入団。04年に最多安打と盗塁王を獲得。06、09年WBC日本代表、08年北京五輪日本代表。11年オフに海外FA権を行使しマリナーズに移籍。ブルージェイズ、カブスを経て、17年にソフトバンクに復帰した。18年3月には自律神経の病気を公表し退団。復帰した昨年は台湾の味全ドラゴンズで選手兼任コーチとしてプレーした。1メートル80、75キロ。右投げ左打ち。

続きを表示

この記事のフォト

2020年4月16日のニュース