広島・誠也 4連打サイクル締め弾も「まぐれです ひどすぎて…」

[ 2020年3月8日 05:30 ]

オープン戦   広島5―11西武 ( 2020年3月7日    マツダ )

<広・西>3回1死三塁、鈴木誠は左越えに2点本塁打を放つ (撮影・奥 調)
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 広島自慢の1~4番が7日の西武戦で破壊力を見せつけた。6点劣勢の3回に怒とうの“サイクル4連打”で一挙4点。1死から田中広の左越え二塁打を起点とし、菊池涼と西川が長短適時打でつなぐと、主砲・鈴木誠也外野手(25)は左翼へ待望のオープン戦1号2ランだ。V奪回を目指す2020年型上位打線がクッキリ見えた。

 放物線を描いた打球は、小雨に煙る本拠地の左翼ポール際へ吸い込まれた。2点を返した3回、なおも1死三塁の好機で鈴木誠が待望のオープン戦1号2ラン。西武・松本が続けたカーブ、肩口から甘く入る2球目を呼び込んで振り抜いた。

 「まぐれです。たまたま甘い球が来たので手を出せたけど、(状態が)ひどすぎて…」

 2月14日のロッテとの練習試合(コザしんきん)以来の対外試合アーチにも浮かれず、現状を冷静に自己分析する主砲。お膳立てした連打もまたキラリと光った。リーグ3連覇時をほうふつとさせる打線のつながり。その原動力となった切り込み隊長が口火を切った。

 1死無走者で1番・田中広。フルカウントからの内角カットボールを左越え二塁打とすると、2番・菊池涼は追い込まれながらも外角直球を捉えて中前適時打。さらに3番・西川もカウント1―1からの甘い直球を逃さず左中間突破の適時三塁打だ。

 鈴木誠の2ランを含めると、鮮やかすぎるサイクル4連打。かねて「打線はなるべく固定したい」とする佐々岡監督は、田中広―菊池涼―西川―鈴木誠の並びについて「確定ではないけど、1・2番が元気なら問題ないでしょう」と明言した。

 リーグ3連覇を果たした18年は、1~4番までが同一打順で100試合以上に先発。前年の17年も、鈴木誠が故障離脱するまで98試合で4番を務めるなど上位陣は固定され、25年ぶりにリーグ制覇した16年にしても1~3番は不動だった。

 「良かったり、悪かったりがハッキリしている。確実性もまだまだなので、自分のスイングを心掛けながら、残り少ない打席の中で固めていきたい」

 東京五輪に挑む侍ジャパンの4番候補でもある25歳は、3・20開幕までの残り2週間で打撃の修正を誓う。心配ない。日替わり打線で4位に沈んだ昨季とは一転、破壊力を改めて見せつけた上位打線のつながり。明るい光がクッキリ見えた。(江尾 卓也)
 

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