オリ・ジョーンズ 初安打が驚弾1号!9打席目待望 初回初スイングで実力証明

[ 2020年3月5日 05:30 ]

オープン戦   オリックス6-6ロッテ ( 2020年3月4日    京セラD )

ロッテとのオープン戦の初回2死一塁、ジョーンズは左越えに2点本塁打を放つ (撮影・奥 調)
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 超大物が、ついにベールを脱いだ。オリックスに新加入したアダム・ジョーンズ外野手(34)が、4日のロッテとのオープン戦に「4番・DH」で先発出場。初回に実戦初安打となる“来日1号”2ランを放ち、メジャー通算282本塁打の実力を見せつけた。

 ドガン! 無観客試合で静まり返った場内に、ジョーンズの驚弾が生んだ衝撃音が響き渡った。超大物が一振りで実力を証明した。

 「打った手の感触が何も感じないような当たりだった。真芯で捉えることができたね。この結果は数字として残るものではないけど、良い形で打てたことは、うれしいよ」

 初回2死一塁で迎えた第1打席のファーストスイングだった。2ボール2ストライクからの5球目、岩下の高めに抜けたスライダーを見逃さない。思い切り振り抜いたライナー性の打球は、一直線に左翼ポール際、広告が並ぶ中段席フェンスに直撃した。オープン戦3試合目、紅白戦を含めれば実戦5試合9打席目での初安打を、日本初アーチで飾った。

 「その前にヨシダ(吉田正)が全力で走って併殺にならなかったから打席が回ってきたんだ。何とかしてくれたから、あの本塁打は起きたんだ」。節目の直前、1死一塁で吉田正が二塁へのゴロで全力疾走し併殺を免れた場面。同僚の奮闘が記念弾を呼び込んだと粋な発言で振り返った。

 宮崎キャンプ終盤の2月24日。吉田正が歓迎会を開いてくれた。ロドリゲス、モヤと招待され焼肉店でごちそうになった。同月上旬にはジョーンズ主催の「外野手会」を開催。主軸コンビを組む吉田正とも交流を深め、新天地のユニホームが似合う助っ人になった。

 西村監督は「素晴らしい当たりでしたね」と絶賛。続けて「やっぱり雰囲気が違う。初回の2ランでチームを盛り上げてくれて、その後も点を取ることができた」と4番に相応しい好内容を称えた。

 開幕へ着々と準備を整えている。6日の巨人戦から右翼の守備にも就く見通し。来週にはオーディー夫人(33)、長男のオーガスト君(6)と、次男のアクセル君(4)と家族が来日する。「あとは守備、走塁の部分でゲームレベルまで持っていけるか、だね」。鳴り物入りの助っ人が、一気にギアを上げていく。(湯澤 涼)

《アダム・ジョーンズ》
 ★生まれ&サイズ 1985年8月1日生まれ、米カリフォルニア州出身の34歳。1メートル88、98キロ。右投げ右打ち。

 ★球歴 03年ドラフト1巡目(全体37番目)でマリナーズ入団。06年7月にメジャーデビューし、08年にトレードでオリオールズ移籍。昨季はダイヤモンドバックスに所属した。メジャー通算1823試合で打率.277、282本塁打、945打点。13、17年WBC米国代表。

 ★MJ? 1月26日の来日の際は関西空港に200人以上のファンが殺到。「まるで自分はマイケル・ジャクソンかと思った」と笑顔。

 ★素手で快音 1月28日に球団施設で自主トレを行い、素手でフリー打撃を敢行。殿堂入りした元同僚のウラジミール・ゲレロ氏から学んだ練習法で、打球の感触を確かめるのが目的。

 ★外野手会 キャンプ中の2月7日に吉田正、杉本ら選手9人らと食事会を開催。高級ステーキを堪能しながら、質問には食事の手を止めて丁寧に回答するジェントルマンぶりを発揮。

《記者フリートーク》
 ジョーンズの交友関係は幅広い。19年の映画「ジュマンジ/ネクスト・レベル」などに出演した俳優でコメディアンのケビン・ハート(40)は親友の一人。オリオールズ時代から、家族ぐるみで親交がある間柄だという。初めて日本で迎えた春季キャンプ。いきなり宮崎市内の高級ステーキ店で「外野手会」を開催するなど、すぐにチームに溶け込んでみせた。近寄りがたい雰囲気を漂わせてしまうのは、超大物だからなのか。こちらに「nice glasses(良いサングラスだね)!」と気さくに声を掛けてくる陽気な一面こそ素顔と感じた。

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