出場校 安どと不安 健大高崎や明石商は練習再開 国士舘は開幕前日まで3連戦

[ 2020年3月5日 05:30 ]

国士舘高校の掲示板には甲子園出場を祝うポスター。その左側にある野球以外の春の全国大会はすべて中止になっている(撮影・篠原岳夫)
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 高野連が無観客での開催を目指すことが示された4日、出場校からは歓迎する声が多く聞かれた。一定の方向性が示されたことで、優勝候補の一角と目される高崎健康福祉大高崎(群馬)や明石商(兵庫)など5日から練習を再開する学校も出ている。ただ、高野連は15日までの練習試合や遠征合宿の自粛を要請しており、各校ともに調整の工夫が求められる。

 高野連が一定の方向性を打ち出したことで、練習すらも自粛していた出場校にも動きが出始めた。

 今回の感染拡大で最も打撃を受けた公立校は早速、各都道府県の教育委員会に相談。県岐阜商は2日から休校しており、練習も自粛していたが、5日から規模を縮小して練習再開の許可がおりたという。鍛治舎巧監督は「こういう状況の中で重い決断をしていただいたと受け止めている」と話した。練習試合は全てキャンセルとなったが、練習前後の検温など体調管理を徹底して出場準備を進めることになった。

 また、エース中森、強打者・来田と投打のドラフト候補を擁して優勝候補にも挙がる明石商は市の教育委員会の指示で3日から15日まで部活動は全面禁止だった。しかし今回の発表を受けて市教委の許可のもと、5日から自校グラウンドで練習を再開予定。狭間善徳監督は「与えられた状況の中でチームが一つになって、練習、そして大会に向けて全力を尽くしていきたい」とした。

 選手にとっては難しい調整を迫られる。本来なら8日から対外試合が解禁されるはずだったが、高野連からこの日、15日までは練習試合や遠征合宿の自粛要請が出された。すでに12月初旬の対外試合禁止(アウトオブシーズン)から約3カ月遠ざかっている。5日から練習を再開する高崎健康福祉大高崎の青柳博文監督は「まずは健康第一。今やれることをするだけ」と慎重に練習していく方針を明かした。実戦不足解消へ国士舘は16日から開幕前日の18日まで関西の高校と3連戦を組む方向で調整するなど、各校に実戦感覚を養う工夫が求められる。

 史上初の無観客での大会へ、球児たちは前例のない準備と戦いに挑む。

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