【スポニチ潜入(2)】明石商・来田 柳田に憧れ西川を目指す パワー&スピード 高校屈指のスラッガー

[ 2020年3月5日 10:00 ]

ティー打撃をする明石商・来田涼斗(撮影・坂田 高浩)
Photo By スポニチ

 スポーツニッポン新聞社がお送りする記事と動画を連動する新企画「スポニチ潜入」。主に関西圏のアマチュア野球選手を紹介する本日公開の第2回は高校球界屈指のスラッガー、明石商(兵庫)の来田涼斗外野手です。

 ティー打撃に取り組む明石商・来田は涼しい顔で、いとも軽々とバットを振り回していた。ただし、その手に握っていたのは普通のバットではない。重さ1・3キロのトレーニングバットだ。それをまるで普通のバットのように扱う。まだ高校生とは到底、思えない。鍛え抜かれた強靱な体幹を備えるからこそ、なせるわざだろう。

 1メートル79、85キロの肉体には、筋肉が詰まっている。そして良質なバネも兼ね備える。50メートル走5秒9、遠投100メートル。さらにベンチプレスは最高95キロを上げ、握力は左右とも60キロを計測。それらの数字が来田の身体能力の高さを雄弁に物語る。その証拠に、木製バットを使用した通常練習のフリー打撃でも、プロ顔負けの鋭い打球、大飛球を連発する。

 3学年が揃うと、ゆうに部員100人を超える大所帯である強豪・明石商にあって、入学直後の1年春からレギュラーに抜てきされた。同夏から2年夏まで3季連続で甲子園出場中と、大舞台の経験も豊富だ。特に2年春の選抜準々決勝・智弁和歌山戦では先頭打者弾&サヨナラ弾の離れ業で4強入りに貢献。さらに同夏の甲子園大会でも初回に先頭打者弾を放つなど、甲子園通算3本塁打を誇る。大舞台、大一番に強いという特性も、大きな魅力に違いない。

 プロもドラフト上位候補として注目するダイヤの原石。憧れの選手には同じ右投げ左打ちのスラッガーである柳田悠岐(ソフトバンク)を挙げる。「どの球にも対応できるところとか、いつでも自分のスイングができるところが、とてもスゴいなと思うので僕の憧れの選手です」。暇を見つけては柳田のインターネット動画に熱視線を送り、トップを作る際の体重の乗せ方などを自らに採り入れる。

 ただ目指しているプレースタイルは、少し違う。「バッティングもそうですが、走塁面でもしっかり盗塁であったり、(積極的に)次の塁を狙っていくような選手になりたいと思っています」。自分の中で「憧れ」と「現実」を分けて考えている。そして自らが追い求める「俊足巧打」の教材には西川遥輝(日本ハム)の名を挙げ、「打つだけではなく、走る方の意識も高いので」とうなずく。決して、猪突猛進の猪武者ではない。

 今年の高校球界を代表するスラッガーの一人。当然、高校でバットを置くつもりなど毛頭ない。「自分の実力をしっかり磨いて、高校を卒業してからも、しっかり活躍できるような選手になりたいです」。球界の最高峰を極めるべく、勝負の1年に臨む。(大阪報道部・惟任 貴信)

 ◆来田 涼斗(きた・りょうと)2002年(平14)10月16日、兵庫県神戸市出身。50メートル走5秒9、遠投100メートル。1メートル79、85キロ。右投げ左打ち。

 ※本記事の動画は「スポニチチャンネル」(https://www.youtube.com/channel/UCCDmd01WsuFBF8n3yMjHQ1A)において本日正午頃、配信予定。次回は3月9日配信予定です。(記事、動画の内容は新型コロナウイルス感染拡大を受けた政府の臨時休校要請が出る以前に取材したものです)

続きを表示

2020年3月5日のニュース