日本ハム・清宮 33打席ぶり打った!居残り&早出特打“兄貴”矢野コーチに感謝の一振り

[ 2019年7月21日 05:30 ]

パ・リーグ   日本ハム4-0ロッテ ( 2019年7月20日    札幌D )

4回2死一、二塁、適時打を放つ清宮(撮影・高橋茂夫)
Photo By スポニチ

 長いトンネルを抜けた。日本ハム・清宮幸太郎内野手(20)は20日、ロッテ戦の4回、33打席ぶりの安打となる中前適時打を放ち、勝利に貢献した。適時打は6月8日の阪神戦以来、実に53打席ぶりとなった。チームはこの回に一挙4得点を挙げ、後半戦は無傷の5連勝。ロッテ相手には札幌ドームで10連勝をマークし、首位のソフトバンクに2ゲーム差と迫った。

 長かった。約1カ月ぶりにともった「H」ランプ。一塁塁上で清宮の笑顔がはじけた。6月21日の中日戦以来、33打席ぶりの安打となる中前適時打。直後に左翼守備に就くと、超満員のファンに清宮コールで祝福された。チームメート、ファンの笑顔が視界に飛び込んできた。みんな待っていた一打だった。

 「それが一番うれしかった。(ファンも)一緒に戦ってくれているな、と」。お立ち台では「本当に恥ずかしい」と大粒の汗をぬぐいながら32打席連続無安打をわびつつ、「まだ抜け出したかどうか分からない。一打席一打席が勝負」と表情を引き締めた。

 チームにとっても大きい一本だった。4回に3点先制し、なお2死一、二塁。カウント2―2からシンカーに泳がされながら右手一本で中前へ運んだ。「打った瞬間、安打と分かったのでうれしかった」。32打席中21三振を喫するなど、アマ時代も含めて「ここまで打てなかったことはない」という大不振。「しんどくなかったと言ったらうそになる」と吐露した。

 31打席連続無安打となった前日のナイター後、レンジャーズへの野球留学から一時帰国中の矢野謙次チーム統轄本部特命コーチと居残り練習。「おまえの良さは上半身の柔らかさ。それがなくなっているからバットの出も悪い」と指摘を受け、両腕をリラックスさせながら約30分間も素振りを繰り返した。帰路に就いたのは午後11時すぎ。一夜明け、デーゲーム前では初めて早出特打も敢行した。シンカーに泳ぎながらも巧みなバットコントロールで響かせた快音は、兄貴分として慕う矢野コーチからの助言を生かした一打だった。

 後半戦は無傷の5連勝で、首位ソフトバンクには2ゲーム差。不振の期間、あえて清宮を突き放したという栗山監督は「苦しみの中にしか生まれないものもある。まだまだ自分から変わらないといけない」と期待する。好調のチームに清宮の復調。この勢いは簡単に止まりそうにない。(東尾 洋樹)

続きを表示

2019年7月21日のニュース