中畑氏 連敗多いシーズン…抑え代役の必要性痛感

[ 2019年7月9日 08:30 ]

巨人の抑えを務めている中川(撮影・大塚 徹)
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 【キヨシスタイル】今年ほど連勝連敗が多いシーズンも珍しい。何が原因かっていうと、野球はやっぱりピッチャーというところに行き着くね。なかでも絶対的な抑えの存在。今年は抑え受難の年になっているんだ。

 開幕から抑えの仕事を全うしているのはセ・リーグで阪神のドリス、DeNAの山崎の2人。パ・リーグも楽天の松井、ロッテの益田の2人くらいかな。12球団で4人だけ。あとの8人は故障で離脱したり、不調で配置転換されている。

 ヤクルトの15連敗は石山の離脱が響いたし、広島の低迷は中崎の不調が大きいよ。3年連続リーグ優勝に貢献してきた勤続疲労があるんだろうけど、抑えで防御率4・08は苦しい。フランスアも後ろに回したら打たれている。

 両リーグの首位を走る巨人、ソフトバンクだって開幕構想通りにいってるわけじゃない。代役が頑張っているんだ。

 巨人は新外国人クックが右肘の違和感で離脱。沢村、野上も1つずつセーブを挙げているけど、戦いが安定したのは9回を中川に託すようになってから。7、8回はまだ流動的だけど、ベンチがうまくやりくりして中川につないでいる。

 ソフトバンクも去年37セーブを挙げた森が右肩の違和感で6月中旬に抹消された。その穴をルーキーの甲斐野がしっかり埋めているんだ。

 抑えがこけても、それを補う投手がいる。層が厚いといえば、それまでだけど、投球スタイルや性格など適性を見て代役の人選をしたベンチワークも見逃せないんじゃないかな。

 4月に10連敗したDeNAはセットアッパーのパットンが打たれて山崎が投げる展開まで持っていけなかった。エスコバー、パットンの2人が安定して山崎につなぐ形がつくれるようになってから浮上してきた。

 絶対的な抑えの重要性と、その代役の必要性を痛感させてくれるシーズン。ここから先の戦いは、抑えに中継ぎも含めて7~9回を投げる投手をどう整備するかがポイントになる。

 巨人は緊急補強したデラロサが球宴明けに合流するらしいね。新助っ人が期待通りなら、より盤石になる。(スポニチ本紙評論家・中畑 清)

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2019年7月9日のニュース